第9回「フランス語コンクール」で本学学生が最優秀賞と奨励賞を受賞しました

日仏会館が主催する第9回「フランス語コンクール」に本学から3名の学生が出場し、第1次審査の書類選考を経て、11月26日に日仏会館ホールで開催された決勝大会に臨みました。その結果、鷹取幸大さん(文学部英語文化コミュニケーション学科3年次生)が、中級の部最優秀賞を受賞し、同じく中級の部に出場した山中ひかるさん(教養学部国際学科4年次生)と、上級の部の佐々木敦司さん(大学院工学研究科機械工学専攻1年次生)が、奨励賞を受賞しました。

この大会は、社会人から高校生までが参加する日本最大規模の権威あるフランス語弁論大会です。第1部(上級)と第2部(中級)からなり、本年度の第1部のテーマは、「科学技術の進歩は人類の幸福に貢献するか」と「日本国憲法の改正をあなたはどう考えるか」でした。24名の応募者の中から、社会人1名、東京大学、上智大学、早稲田大学、国際基督教大学、北陸先端科学技術大学院、東海大学の学生・院生の各1名、南山大学の学生2名の計9名が決勝に進みました。第2部のテーマは「個人的あるいは歴史的事件であなたにとって最も重要な出来事は何か」でした。29名の応募があり、社会人2名、慶応大学と東海大学の学生2名ずつの計6名が選ばれました。上級の部では、7分の暗唱によるスピーチと5分の質疑応答が課されます。この部門の上位3名に与えられる3つの賞には、東京・パリ往復航空券などの副賞が含まれています。中級の部では、5分の暗唱によるスピーチと5分の質疑応答が課されます。この部門の最優秀賞には、航空券やフランスでの研修・滞在資格などの副賞がついています。その他、両部門を対象とした4つの奨励賞が設けられています。

まず、第2部門決勝が行われ、鷹取さんと山中さんがともに「家族の死」をテーマにスピーチを披露。鷹取さんは「Je ne suivrai pas ton chemin」(私はあなたと同じ道は辿らない)と題したスピーチで、「一年前、母親が自ら命を絶った後、『母の影響を受けて育った自分は変わらないし、母は私や家族の記憶の中で生き続けている。でも、残された人は亡くなった理由を考え続けることになってしまうので、つらいことがあっても自殺してはいけない』と思うようになった」と、命の大切さについて話しました。最優秀賞の受賞について、「自分の中で整理しきれなかった感情を言葉にすることで、気持ちに一区切りをつけることができました。結果として最優秀賞をいただけたことはとてもうれしいですが、例え受賞できていなくてもやりきった気持ちは変わらないと思います」と笑顔を見せました。また、山中さんは「Chaudes larmes」(あたたかいなみだ)と題して、父親の病死から5年経った今も思い出して涙するエピソードを披露。「学生生活最後の大会で入選することができ、とてもうれしいです。昨年度の6カ国語スピーチコンテスト(主催・本学国際教育センター)に出場した時の反省点を踏まえて、惟村宣明教授(国際教育センター)と深井陽介准教授(同)に指導していただきながら準備してきました。チャンスをくださった先生方に感謝したいです」と話しました。

続いて行われた第1部門決勝では、佐々木さんが「Pourquoi les hommes continuent à développer la technologie?」(なぜ人類は技術開発を続けるのか)をテーマにスピーチ。「技術者が研究・開発したものは人の暮らしを便利にしていますが、長距離移動を可能にした飛行機が戦争で爆弾を投下するように、製作者の意図とは異なる使い方で人を不幸にすることもあります。技術が人を不幸にしないためには技術者が倫理観を持ち、きちんと使用方法のルールを決める必要があります。そのためには専門分野以外の勉強をして多くの人と触れ合い、倫理観を養うことが大切です」と、大学院で飛行機の設計とフランス語を学ぶ自身の経験を踏まえ、技術が人を幸せにするための考えを語りました。佐々木さんは、「理系の学部を専攻しながらフランス語を学ぶ自分だからこそ提案できる考えをまとめました。将来、自分で開発したものが人を幸せにできるよう、幅広い分野について学び続けたいです」と話しました。

日仏会館・フランス語コンクール3_341.jpg

日仏会館・フランス語コンクール1_341.jpg

日仏会館・フランス語コンクール2_341.jpg