「彫刻を触る☆体験ツアー!!」を実施しました

湘南キャンパスで7月30日に、学生や市民を対象としたイベント「彫刻を触る☆体験ツアー!!」を実施しました。本キャンパスには、北村西望作「松前重義胸像」や舟越保武作「星を仰ぐ青年の像」、「山田守像」などのブロンズ像が設置されています。このイベントは、それらをメンテナンスしながら直接触れることで、新たな芸術鑑賞方法を知る機会にしてもらおうとTo-Collaboプログラムの一環で毎年実施しているもの。今回は秦野市との共催、神奈川県高校生インターンシップとの連携事業として行いました。

当日は、課程資格教育センターの篠原聰准教授と篠崎未来氏(小平市平櫛田中彫刻美術館学芸員)が講師を務め、スペシャルゲストとして広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館准教授)が参加しました。はじめに、学生や高校生、市民ら21名を前に、広瀬氏が、彫刻を“触る”鑑賞方法について解説。「人の体をマッサージするように、優しく、ゆっくり、丁寧に触ることを意識すると、メンテナンスの細やかさも変わってくると思います。制作者の思いと、作品そのものが持つエネルギーを感じてください」と語りました。続いて篠崎氏が、ブロンズ像の制作方法やメンテナンスの必要性とその手順について説明し、「松前重義胸像」、「山田守像」、「星を仰ぐ青年の像」の順でメンテナンスしていきました。

参加者たちは、像の汚れを専用キットで抽出し、数値化された汚れの度合いや傷をメンテナンスシートに記録。「草木など、周りの環境と調和してこその彫刻です。メンテナンスに使う洗剤は自然に優しいものを使いましょう」という篠崎氏の言葉を受け、環境に配慮した洗剤を使って洗浄し、その後、ワックスを塗布しました。参加者からは、「初めて触ったブロンズ像は思っていたよりも硬く、力を込めて磨かないと汚れが落ちなかった」「東海大学には著名な作家がつくられたさまざまな芸術作品があるということを知りました。これを機に過去の作品について調べてみたい」といった感想が聞かれました。

篠原准教授は、「今回は高校生、学生、地域の方と、幅広い年代の方にご参加いただきました。こうした世代間のコミュニケーションは年々少なくなっていますが、年齢関係なく楽しめる企画なので、今後は小中学生にも参加してもらうことでさらに輪を広げていきたい。また、今回の経験や得た知識を生かして、市民の皆さんの手で地域の芸術文化を育み、守り伝えていってもらえたらうれしい」と話しました。

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