工学部の秋山教授らによる取り組みが神奈川県「平成29年度大学発・政策提案制度」に採択されました

神奈川県の「平成29年度大学発・政策提案制度」の採択事業がこのほど発表され、理工系教育の振興を目指す本学の提案が選ばれました。この制度は、県内の高等教育機関(短期大学・大学院大学を含む)からの政策提案を募集し、選ばれた事業を県と大学が協同で実施するものです。今年度は、4大学8提案の中から予備審査を通過した5提案による公開コンペを経て、3大学3提案が採択。8月17日に神奈川県庁で知事表彰式が行われました。

本学の取り組みは、工学部応用化学科の秋山泰伸教授が中心となって企画・運営する「神奈川県の科学立県を実現する子供から高齢者まで参画できる科学実験教材・方法の提案」です。秋山教授は約10年にわたって子どもから大人までの幅広い世代を対象にした科学実験教室を開催してきました。その経験から、「科学に対する尊敬の念は高いものの、近寄りがたいイメージがある」点に『子どもの理数科(科学)離れ』につながる問題があると分析。秋山教授と本学の学生、高齢者を含む一般ボランティアが協力し、科学への興味関心を高め、考える楽しさを体験させることを目的とした市民向けの科学実験教室を、今後2年間に県内4カ所程度で実施することを提案。2年目には初年度の講座受講者の中からも講師を募り、世代をこえた交流も促すほか、実験の内容をまとめた「実験レシピ」を公開して自治体や学校での実験に役立ててもらう政策を提案しました。

表彰式には山田清志学長と秋山教授らが出席。黒岩祐治知事をはじめとする県の関係者の前で秋山教授が政策の概要をあらためて説明しました。黒岩知事からは、「こうした取り組みは、親しみやすい形で実施することが大切であり、その点でもよい政策だと思う。シニア世代の新たな活躍の場を開く取り組みとしても興味深い」とのコメントが寄せられました。秋山教授は、「今までは神奈川県内でもキャンパスのある湘南地域を中心に活動を行ってきましたが、その成果を全県に広げて行える意義は大きい。科学実験教室は一般的に小学生の参加者が多い反面、中高生になると参加者が減ってしまうという問題があります。しかし、これまでの活動では、中高生にも教える側になってもらうと、教える側と参加者側双方の興味が高まることが分かっています。今後は中高生のみならず世代をこえた多くの人が双方の立場で参加できる教室を開き、そのレシピを公開することで神奈川県全体に“科学好きの輪”を広げたい」と話しています。

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