11月22日に高輪キャンパスで、駐日アラブ首長国連邦(UAE)大使カリド・アルアメリ閣下による講演会を開催しました。本学園では、日本・UAE両政府間で取り組む、UAE国民子弟を日本式教育で育成する教育プログラムに協力し、来年度から付属高輪台高校で同国の高校生を受け入れる予定になっており、高輪キャンパスと付属高輪台高校が一体となって受け入れの準備を進めています。今回の講演会は事前準備の一環として、UAEに対する理解を深める為に実施したもので、学生、生徒や教職員約50名が参加しました。
最初にアルアメリ閣下があいさつした後、大使館で文化教育を担当する品川純世氏が講演。1971年にシェイク・ザイード氏のもとで連邦国家として建国され、女性の権利を重視してきた同国の歴史や世界最良の国を目指す総合政策「UAEビジョン2021」の概要を解説。環境や宇宙開発分野で日本と共同開発に関する覚書を締結し、東海大学とは同国のアブダビ石油資源大学とのソーラーカーの共同開発プロジェクトを行ってきたことを紹介しました。そのうえで、寛容や家族愛を重視するイスラム教の理念や主な習慣、貿易指標や世界競争力などの経済面で見るUAEの世界ランキングなどを説明。最後に、「私自身も2002年に東海大学を卒業しましたが、来年高輪台高校に入学する生徒たちは私よりもさらに若く、とても勇気のある子どもたちだと思います。入学後は学生の皆さんもぜひ彼らと交流してください。そうした活動が、両国の友情関係の強化につながると期待しています」と話しました。
講演後には、断食月の対応や石油資源国であるUAEがなぜ環境分野の研究に取り組むのかといった点について参加者から質問が寄せられ、アルアメリ閣下が回答しました。参加した学生たちは、「これまではUAEについて学ぶ機会が少なかったのですが、講演を通して同国が経済面はもちろん、女性の権利への意識の高さなどの面でも先進的な国であることがわかりました」「UAEが自国のためだけでなく、将来の世界の姿を見据えて環境分野などの研究に力を入れていることを知れたのは大きな成果だった。そうした視点を持つことの重要性を再認識しました」と感想を語っていました。
なお講演前後に大使一行は、付属高輪台高校の片桐知己治校長や情報通信学部の濱本和彦学部長らと懇談。校舎内の視察も行いました。