公開講座ヒューマンカフェ(道民カレッジ連携講座)「石って面白い2!!」を開催しました

札幌キャンパスでは5月19日に、紀伊國屋書店札幌本店インナーガーデンで東海大学公開講座ヒューマンカフェ(道民カレッジ連携講座)「石って面白い2!!」を開催しました。札幌教養教育センターの岡本研教授が講師を務め、昨年度に実施した公開講座「石って面白い」の第2弾で、実物の石や、石を使った簡単な実験を通じて、その原理や人間生活とのかかわりについて学び、「なぜ? どうして? なるほど!」を体験していただいたほか、札幌市や北海道の石についても紹介したものです。

当日は小学生からお年寄りまで幅広い年代の市民ら約60名が参加。岡本教授はまず、今年2月の平昌オリンピックで話題になったカーリングで用いられる「ストーン」について紹介しました。実際に競技で使われる石を見せながら、「このストーンは花崗岩であることは広く知られていますが、なぜ強くぶつかっても割れないのでしょうか?」と語り、さまざまな花崗岩が日常生活に近い部分で使われている様子から、カーリングストーンが世界で唯一採石されるスコットランド・アルサクレイグ島について紹介。「カーリングが世界各国に普及したことで品質を統一する必要ができたため、硬く丈夫、水を吸わない、均質で高密度(緻密)であるこの島の花崗岩が使われることになりました。アルサクイレグ島の石は比較的浅いところでできた花崗岩なので、細粒な鉱物があり衝撃に強いのです」と解説。実際に石の密度を調べたところ、一般的な花崗岩よりも重く、またその構造のちがいなどから正確には「花崗閃緑斑岩」なのではないかと推定したという経緯について触れ、参加者にも「石の調べ方」をレクチャーしました。参加者は岡本教授が用意した石の薄片とルーペに偏光板をつけて、明るい部分に向けて覗き、ルーペを石につけたまま回転させることで色の変化が分かる様子を体験しました。

さらに、「札幌・三角山の石」や2014年にオーストラリアに落下した「テンハム隕石」から発見された天然の珪酸塩ペロプスカイトは地球で最も多い岩石と考えられること、上部マントルで生まれる希少な石である「エクロジャイト」や北海道士別市でのみ採取される「リヒテライト」などを紹介し、石を巡る多様な話題に、参加者は熱心に聞き入っていました。最後には質疑応答も行い、参加者から熱心な質問が寄せられたほか、終了後も岡本教授と石を囲んで語り合う様子が見られました。

公開講座・石って面白い2 (1).JPG

公開講座・石って面白い2 (3).JPG

公開講座・石って面白い2 (6).jpg

公開講座・石って面白い2 (8).jpg

公開講座・石って面白い2 (9).jpg