黒川地区創造的復興プロジェクトワークショップを実施しました

熊本キャンパスで6月17日と7月11日に、「黒川地区創造的復興プロジェクトワークショップ」を実施しました。本学では今年1月に、環境省ならびに熊本県と「阿蘇地域の創造的復興に向けた地域循環共生圏の構築に関する協定」を締結しており、「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを通じて森里川海のつながりの回復とそこから得られる恵みによって豊かな社会を目指す活動を推進する環境省、熊本地震によって激しい被害を受け、創造的復興を目指してさまざまな取り組みを展開する熊本県と連携。三者が協力し、震災に見舞われた阿蘇地域の創造的復興に向けて、豊かな地域循環共生圏の構築を目指しています。

今回のワークショップは、熊本県が事務局を担う「地域創生プロジェクト」の一環として本学阿蘇実習フィールドがある南阿蘇村とともに推進する「南阿蘇村黒川地区創造的復興プロジェクト」による活動です。阿蘇実習フィールド近隣にある旧西部小学校の整備計画や震災遺構周遊コースの策定などを目指しており、メンバーは環境省と熊本県、南阿蘇村の関係者、本学から荒木朋洋九州キャンパス長をはじめとした教職員とチャレンジセンター・ユニークプロジェクトの「阿蘇復興への道」に所属する学生、黒川地区の住民で構成しています。

6月17日、7月11日のワークショップではともに「黒川地区の復興に必要な取り組み」をテーマに設定。17日は黒川地区の住民20名と環境省、熊本県、本学の担当者らが出席し、グループに分かれて大学と村の連携や地域住民と学生のつながり、住民自体ができる取り組みについて意見を交わしました。住民の皆さんからは、「学生たちが黒川地区で震災体験を語る『語り部』の活動を展開しているが、今後も継続してもらいたい。その際に、住民も学生と連携することで新しいつながりに発展するのでは」といった意見や、「阿蘇実習フィールドを活用した農学部の実習授業が始まっているが、その際の昼食を提供するために、旧西部小学校を活用できないか」などの提案が出されました。続く11日は環境省、熊本県、本学に加えて南阿蘇村と阿蘇復興への道のメンバーが出席。前回の議論を踏まえ、学生たちから、「11月に熊本キャンパスで開催する東熊祭・数鹿流祭(建学祭)に黒川地区の皆さんを招待したい」「公民館のような小規模な施設でいいので、住民の方たちと交流できる 場がほしい」といった意見が出されました。

阿蘇復興への道リーダーの井手良輔さん(農学部3年次生)は、「黒川地区は徐々に復旧工事が進んでおり、今回のようなミーティングも始まったことで復興に向けて着実に前進していると感じました。一方で私たちは、その在り方は黒川地区の住民の意見が尊重されなければならないと考えています。今後もぜひこの活動にかかわり、意見を提案できる機会をいただければ」と話しています。

なお、本ワークショップは計7回を予定しており、7月12日には農学部の教員が、18日には経営学部観光ビジネス学科の教員と学生が出席して実施。25日には第2回から5回までの出席者の中から代表者が集い、各回で出た意見を取りまとめました。次回は8月5日(日)に、南阿蘇村・旧西部小学校で開催し、黒川地区の住民の皆さんに意見提案を行う予定です。

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