「TOKAI×MUSEUM GO!!」を開催しました

湘南キャンパスの松前記念館(東海大学歴史と未来の博物館)では10月20日に、「TOKAI×MUSEUM GO!!」を開催しました。地域連携センターによる「キャンパス大学開放事業」の一環で同日に開催された「TOKAIグローカルフェスタ2018」のプログラムとして、彫刻や博物館の魅力に触れてもらおうと企画したもの。現在松前記念館で開催している企画展示「世界のたね展」にちなんで、彫刻技法のひとつである鋳造を体験する造形ワークショップ「彫刻の『たね』をつくろう!!」と「井戸端フォーラム~話のネタは『たね』~」の2部構成で実施しました。

造形ワークショップでは、彫刻家の伊藤一洋氏の指導を受けながら、親子連れが鋳造技術を体験。「オリジナルのタネをつくろう」をテーマに、砂を固めた型を思い思いに掘り、最後にスズとアンチモンの合金(ピューラー)を流し込んで作品に仕上げました。子どもたちの自由な発想に、保護者やサポート役を務めた学生が「すごいね」と目を丸くする場面もありました。

井戸端フォーラムでは、「たね」をテーマにした作品を数多く手がけた彫刻家・田邊光彰氏の作品を所蔵する横浜市・日吉の森庭園美術館の田邊美紗代館長と学芸員の田邊陵光氏、美術評論家の藤嶋俊會氏が登壇しました。田邊館長が光彰氏の足跡や思想を紹介し、「彫刻家として世の中のためには何をするかを常に考え、専門家などと協力しながら活動した人だった」と紹介。陵光氏が、世界各国で田邊氏が取り組んだ活動や代表作品を解説した。また藤嶋氏は田邊氏の作品の特徴や意義に触れ、「立体で造形される彫刻は、特定の場所に置くだけで意味を持ち、見る人たちに影響を与えます。田邊氏自身も彫刻家として、多くの人に影響を与え、かつ協力しながら活動を展開した人でもあります。この機会に、田邊氏の活動を多くの人に知ってもらえれば」と話しました。

参加者からは、「今年夏に湘南キャンパスで開かれた『世界一行きたい科学広場』に参加し、とても楽しかったので今日も来場しました。日常ではなかなかできない鋳造を楽しみながら体験できたのがよかった。とても楽しかったです」「展示やフォーラムを通して、普段見過ごしがちだった自然の中にもさまざまな発見があることに気がつきました」といった声が聞かれました。

企画運営を担当した松前記念館事務室の篠原聰室長代行(課程資格教育センター准教授)は、「今回の展示と企画では、日吉の森庭園美術館から作品を借用し、講師として登壇していただくなど学外の機関と連携した活動を実現できたことが大きな成果でした。創立者・松前重義博士の思想や活動を紹介するという記念館の使命を大切にしつつ、今後もさまざまな機関と連携しながら美術や博物館の魅力を伝える活動にも力を入れていきたい」と話していました。

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