「熊本地震からの創造的復興祈念 阿蘇の昆虫・世界の昆虫展&東海大学阿蘇震災遺構VR展」を開催しています

阿蘇実習フィールドに近い熊本県南阿蘇村の旧長陽西部小学校で4月16日から5月6日(月・祝)まで、「熊本地震からの創造的復興祈念 阿蘇の昆虫・世界の昆虫展&東海大学阿蘇震災遺構VR展 南阿蘇村・東海大学学生街で学生たちが学んできたこと」を開催しています。九州キャンパスと南阿蘇村で実施している総合交流協議会の農業・産業部会、環境・教育部会による活動の一環として企画したもので、農学部応用植物科学科の村田浩平教授と九州教養教育センターの福﨑稔教授を中心に準備を進めてきました。

昆虫展の会場には、村田研究室が国内外で採取してきた昆虫の標本約130ケース・約2000種類を展示しています。2016年4月に発生した熊本地震では、昆虫標本を置いていた阿蘇キャンパスの遺伝資源保管室も被災し、150万点ほどあった昆虫標本も多数が破損するなど大きな被害を受けました。村田研究室では、所属する学生や大学院生らがそれらを一点一点修復。今回の展示会に向けて標本棚も製作してきたほか、東海大学チャレンジセンター・阿蘇は箱舟プロジェクトのメンバーも参加して「阿蘇の昆虫」などについて説明するポスターや実習フィールド周辺の黒川地区のジオラマも作成しました。

一方のVR展は、360度VR映像の制作やドローン空撮を手掛ける株式会社エア・カメラ、ドローンオペレーターチーム「Agird」と福﨑教授が協力。ヘッドセットを装着し、「ヴァーチャル・阿蘇・リアリティー」として制作してきた阿蘇地域の空撮映像に、熊本地震で損壊した阿蘇キャンパス1号館の内部をドローンで撮影した映像も組み込んだ4分30秒のプログラムを体験できます。福﨑教授は、「1号館は建物の中をいくつもの亀裂が走っており、地震のエネルギーがいかに大きかったのかをうかがい知ることができます。震災遺構である校舎の内部を360度VR映像で記録することは、歴史的にも学術的にも意義のあるものです。ぜひ多くの人たちに体験してもらいたい」と話します。

福﨑教授と村田教授は、「本学では熊本県や南阿蘇村と連携して黒川地区の創造的復興に向けたプロジェクトを展開しており、今回の展示会もその趣旨に沿った催しです。展示を行っている小学校跡地の教室は、地元の若者たちが独自に開いた成人式の会場になるなど、地域住民の皆さんにとって特別な場所であり、大学と地域の交流の拠点として活用していくべき場所でもあります。今後も大学の知を還元する展示会やイベントなどを開き、博物館のような機能を備えた建物として運用していければ」と話しています。

会場では正式オープンに先立つ14日に、プレオープンを実施。地域住民や県や村の行政関係者が見学に訪れたほか、本学の山田清志学長や荒木朋洋九州キャンパス長らも視察しました。

熊本地震からの創造的復興祈念 阿蘇の昆虫・世界の昆虫展&東海大学阿蘇震災遺構VR展

【会 期】
2019年4月16日(火)~5月6日(月・祝)

【開室時間】
10:00~16:30

【会 場】
旧長陽西部小学校 2階
熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽4964

【お問い合わせ】
・昆虫展
農学部応用植物科学科 天敵生態学研究室 村田浩平
TEL:096-386-2702
・VR展
九州教養教育センター 福崎稔
TEL:096-386-2664

【主 催】
「東海大学九州キャンパス・南阿蘇村」総合交流協議会
農業・産業部会、環境・教育部会

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