公開講座ヒューマンカフェ「最高の睡眠を得るための12のポイント」を開催しました

札幌キャンパスでは6月29日にカナモトホール(札幌市民ホール)にて、東海大学公開講座ヒューマンカフェ(道民カレッジ連携講座)「最高の睡眠を得るための12のポイント」を開催し、地元の方々91名が参加しました。講師は20年以上に亘り睡眠研究に携わってこられた寺尾晶教授が担当。「良い睡眠で心も体も健康に」、「適度な運動としっかり朝食を」、「眠りと目覚めのメリハリを」などをテーマに健康づくりのための快眠法を紹介しました。

寺尾教授は初めに、「私達は人生の3分の1もの貴重な時間を睡眠に費やしています。睡眠はとても身近であるにも拘わらず、その重要性に気付いていない人が多いのではないでしょうか。野生動物にとって眠るという行為は、敵に襲われる危険性を常に伴います。それにも拘らず『眠らない動物は居ない』ことから、睡眠は生命の維持にとても重要な役割を果たしていると考えられます」と指摘。「人類が進化する過程で大脳が極度に肥大化しましたが、この大脳をうまく休ませるために我々の睡眠も発達してきました。睡眠の質が生活の質を大きく左右させるため、『より良く生きるには、より良く眠る』必要があります」と語り、睡眠の生理学的重要性を説きました。続いて、「食欲」、「性欲」、「睡眠欲」の三大欲求の中で最も我慢できないのは「睡眠欲」であることから、質の高い睡眠を得るために日常生活において意識すべき要点を解説。睡眠のリズムを正しく維持するためには、朝方に太陽の光を浴びて体内時計を調整することが大切であることを説明したほか、日本人の5人に1人が不眠に悩んでいる現状から、ストレス対応やカフェイン摂取など気を付けるべき要因についても紹介しました。最後に今回の講演内容を「最高の睡眠を得るための12のポイント」として纏めあげ、「睡眠時間は人それぞれ。日中の眠りに困らなければ十分」「眠りのスケジュールを設定する」「規則正しい三度の食事、規則的な運動習慣」「昼寝をするなら15時前の20~30分前」などと具体的に説明したほか、十分な睡眠をとれないことで起こり得る体の不具合についても紹介。最後に、「本日の講演会では、私は睡眠研究者の立場から最高の睡眠を得るために『何故そうすべきか』を中心に説明しました。その『何故』の部分をしっかりと理解して頂けたのならば、これからの日々の生活の中で快眠に向けてのポイントをうまく実践して頂けると思います」と講演を締めくくりました。最後の質疑応答コーナーでは来場者から「二度寝は体に良くないのでしょうか?」など多くの質問が寄せたほか、終了後も寺尾教授を囲んで語り合う様子が見られました。

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