医学部付属病院が9月19日付けで厚生労働省から「がんゲノム医療拠点病院」に初めて指定されました。がんゲノム医療は、患者のがん細胞の遺伝子を網羅的に調べて遺伝情報を解析し、エキスパートパネルと呼ばれる専門家チームが議論して個々の患者に最適な治療法を分析するものです。今年6月にがんゲノム医療の遺伝子検査システムが公的医療保険の適用となったことを受け、厚労省がより多くの患者に対応するために新たに指定したもので、検査実績やスタッフの体制、地域性などが評価され、申請した95の医療機関から34機関が選ばれました。
本病院は質の高いがん医療を提供し、神奈川県内随一のがん治療実績と新規がん治療薬の治験実績を有しています。2018年4月に厚労省から「がんゲノム医療連携病院」の指定を受けて以降、ゲノム解析による個別化治療ができる「拠点病院」の指定を受けるべく体制を整えてきました。
中心になって準備を進めてきた医学部医学科の安藤潔教授(内科学系血液・腫瘍内科学)は、「患者さんに合った薬を選べるがんゲノム医療には大きな期待が寄せられていますが、一方で、遺伝情報の告知などに関する課題も残されています。病理医や遺伝医療の専門家、がんゲノムの専門家らと議論しながら慎重に進め、地域のがん医療に貢献したい」と話しています。