2019年度第3回教育支援センター「FD・SD研修会」で原辰徳客員教授が講演しました

東海大学教育支援センターでは1月14日に湘南キャンパス松前記念館で、2019年度第3回教育支援センター「FD・SD研修会」を開催しました(大学運営本部共催)。本センターは大学全体の教育の質をより向上させるため、教職員に対する幅広い支援活動を展開しており、本研修会はその一環として、学内外から講師を招いて毎年開いています。今回は、体育学部客員教授で読売巨人軍監督の原辰徳客員教授を講師に招き、サプライズで体育学部武道学科の井上康生准教授(全日本柔道男子監督、男子柔道部副監督)も登壇。「勝ち抜くための組織づくり」をテーマに日本テレビの河村亮アナウンサーが進行役を担当し、事前に教職員から集めた質問をもとに対談形式で実施しました。当日は代々木、高輪、清水、伊勢原、熊本、札幌各キャンパスと短期大学部もテレビ会議システムでつなぎ、教職員等約550名が参加しました。

山田清志学長のあいさつに続いて原客員教授が登壇し、「巨人と東海大はどちらも長い歴史があります。今までの教えを守りながら、そこに枝葉をつけ、新しいものを積み上げてページを増やすことができる。そういう意味で両者は似ています。初心を大切にしながら、新しいことを積み上げていくのが現場にいる人の役割です」と語りました。続いて「個人を尊重すると組織としてまとまらず、組織論だけでは個人が生きません。両立するためにはどうしたらよいでしょうか」という質問に対して原客員教授は、「個の力に頼りすぎるチームは最終的には強くなりませんし、チームに頼る選手は弱い選手です。私が選手によく言うのは、読売“個人軍”ではダメだということ。個人の力は非常に重要ですが、巨人があって我々がいることを忘れてはいけません。練習では必ず個人練習とチーム練習を分けて行います」と回答。井上准教授は、「オリンピックの柔道競技は団体戦を含めて8日間行われます。金メダルを目指しながらも途中で負けてしまった選手が敗者復活戦を勝ち上がり、頑張って銅メダルを獲得して次の選手につないでいく。自分が一日本代表であるという意識を持たせながら強化していくことを大切にしています」と話しました。

また、「部署の異なる人とプロジェクトを組むときに、一体感を生むにはどうしたらいいでしょうか?」という問いには、さまざまなチームから集まった選手で構成される日本代表を率いる井上准教授が、「各選手がつくり上げたものへの自信を持ち、個性を伸ばしながら頂点を目指してほしいと考えています。“個”を尊重しつつ、たくさんの人が築き上げた伝統や歴史を感じながら、代表としての戦いを全うすることが組織を伸ばしていくためには必要なこと」とコメント。「後継者を育てるために苦心しています」という意見には、原客員教授が、「私が指導者として一番影響を受けたのは長嶋茂雄監督ですが、こういう時はこうしなさいと言われたことは一度もありません。言葉や態度、ミーティングの内容、ゲームの中での戦術など、さまざまな場面を見て会得するものだと思います。知らず知らずのうちに影響を受けて、いつしかその人を超える監督になっているのでは」とまとめました。最後に井上准教授が、「東京オリンピックに向けて選手たちは全力で戦っています。最高のパフォーマンスができるように私も全力で後押ししていきたい。柔道を通じて夢や感動、希望を与える試合を重ねていきたいと思っていますので、応援をお願いします」と会場に語りかけ、原客員教授は、「私はこれまで勝って泣いたことはなかったのですが、昨年、セ・リーグで優勝した時は嗚咽が出るほど涙を流しました。勝負師にとって、うれし涙は許せる、悔し涙は流してはいけないと感じた瞬間です。もう1度しっかりと戦って、勝利の涙を流すことを目標にやっていきたい」と意気込みました。

参加した職員は、「組織づくりや建学の精神を継承していくことは一見とても難しく感じてしまいますが、自分にできるのは目の前の小さなことを一つずつクリアしていくことだと再認識できました。東海大学に入学してよかったと思ってもらえるよう、学生に寄り添い、全力で向き合っていきたい」と話し、決意を新たにしていました。

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