本学が所蔵する「アンデスコレクション」を紹介するウェブサイトが、11月26日にオープンしました。このコレクションは、南米で栄えた「アンデス文明」のうち紀元前14世紀から紀元後16世紀までの歴史を物語る土器や布製品など約2000点で構成。その質と量は日本の大学や博物館が所蔵する資料群としては最大級と高く評価されています。本学では2017年から文明研究所内に研究プロジェクト「東海大学所蔵文化財の活用のための基盤整備」を立ち上げ、公開・活用に向けた環境を整備。マイクロ・ナノ研究開発センターと共同で光学機器を使った資料の分析・研究を進めつつ、東京大学や岡山県立大学の研究者との連携も図ってきました。
ウェブサイトでは膨大な資料の中から土器や布製品など約100点の画像を掲載。動物をかたどった笛吹ボトルや幾何学模様をあしらった酒器、鳥の羽を使って作られたポンチョなどを通して、各地で栄えた特徴的な文化の数々に触れられるようになっています。また、アンデス文明の概要解説や、研究活動・展示会情報などを紹介するコーナーも用意されており、今後さらに内容を充実していく予定です。
研究プロジェクトでアンデス文明を担当する吉田晃章准教授は、「土器や布製品などはどれもアンデスの人々が丹精を込めて作ったものです。このサイトを通して、こうした品々に込められた思いや当時の人々の思想、人間性の一端を感じてほしい。考古学という学問は、古代の人々との異文化交流という側面もあります。時代や空間、考え方などが異なるアンデスの人々との対話を通して、彼らが生きた時代に思いをはせてもらえれば」と語っています。また文明研究所の山本和重所長は、「本サイトの開設は、2017年度から進めてきた研究プロジェクトがさらなる一歩を踏み出す出発点になると感じています。今後も掲載点数を増やしていくとともに、光学機器を使った分析の成果や学外との共同研究の成果も掲載していくことで本学の強みを生かした情報発信にもつなげたい。またこのサイトが、アンデス研究のさらなる発展につながることを期待しています」と話しています。
アンデスコレクション紹介サイト
URL:https://www.andes-tokai.jp/