マイクロ・ナノ研究開発センター講演会を開催しました

マイクロ・ナノ研究開発センターでは7月29日に湘南校舎で、第66回講演会を開催しました。今回は神奈川県立産業技術総合研究所の瓦家正英氏を講師に招き、「塗料技術からエネルギーデバイスへ(塗布型太陽電池の研究開発)」と題して講演。オンラインでも配信し、教職員や学生、学外の研究者ら約30名が聴講しました。

瓦家氏は、化石資源の枯渇危機対策や二酸化炭素排出抑制のため太陽光や風力などの再生エネルギーを用いた創電力の必要性を説き、昨年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画における次世代型太陽電池の実用化に向けた研究について解説。ガードレールや自動車などさまざまな分野で塗料に用いられる二酸化チタンを使うことで光から電力への変換効率が向上し、従来のシリコン型に比べて軽量・低コスト化が可能な「有機ペロブスカイト型太陽電池」の開発が有望視されていることなどを紹介しました。また、各国の製品事例や精度を検証する実験結果などのデータも示し、「こうした高機能デバイスを作るためにも塗料の基礎研究は重要であり、塗布型太陽電池の研究・開発において欠かせないものになっていく」と語りました。

本学においても理学部化学科の冨田恒之教授を中心とした研究グループが有機ペロブスカイト型太陽電池の研究に取り組んでいることから、講演後はペロブスカイト型の利点や今後の研究発展などについて活発に意見を交わしました。