海洋生物学科の大泉教授が日本哺乳類学会公開シンポジウムで講演しました

海洋学部海洋生物学科の大泉宏教授が8月28日に、三重大学で開催された日本哺乳類学会2022年度大会公開シンポジウム「フィールドワークが明らかにするイルカ・クジラの生態」で講演しました。日本周辺の海域における鯨類の生態を明らかにするためのフィールド調査について、全国の研究者が具体的な手法や調査結果、課題、今後の展望などを紹介することを目的とした企画です。当日はオンラインでも配信され、約200名が聴講しました。

大泉教授は、「Uni-HORPによる北海道東部海域でのシャチの生態研究」と題して、北海道東部海域をフィールドに三重大学、北海道大学、京都大学、常磐大学の海棲哺乳類研究者らと組織する「北海道シャチ研究大学連合(Uni-HORP)」の研究調査を報告。釧路と羅臼を拠点とした個体群の行動範囲や食性、DNAといった分析結果の比較、累計531個体を識別したカタログ、2019年に同グループが日本で初めて記録した白いシャチの調査結果などを紹介しました。今後の研究について、「シャチのような長寿命動物の研究には長期の継続が必要となりますが、現状では金銭面や後継研究者の不足など課題も多い。海外には40年以上続くシャチの保全を目的としたNPOもあり、一般のサポーターや調査スタッフらを募るような形を取れれば理想的です」と語りました。