「ともいきアートサポート事業」による常設展示3期が始まりました

神奈川県と東海大学が昨年度から取り組んでいる「ともいきアートサポート事業」 による障がい者アートの常設展示3期が、11月19日からブランチ茅ヶ崎2・サンノイチ及び2階エントランスで、11月22日から神奈川県立青少年センター・スタジオHIKARIの交流スペースで始まりました。この事業は、県が掲げる「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の実現に向けて、障がいの程度や状態にかかわらず、誰でも文化芸術を鑑賞・創作・発表できる機会を提供するものです。本学からティーチングクオリフィケーションセンターの篠原聰准教授と学芸員を目指す学生たちが企画・運営に参加しています。常設展示では、県内で障がい者によるアート活動を支援している「NPO法人studio FLAT(スタジオフラット)」「認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル」「ジョイン・クリエイティブマネジメント株式会社(嬉々!!CREATIVE)」「社会福祉法人翔の会」に所属するアーティストの作品が定期的に入れ替えながら紹介されます。

11月18日は篠原准教授と学生たちが、翔の会の施設で障がいアーティストの作品を梱包。また、森絵画保存修復工房のコンサベーター(修復技術者)である佐藤寛子氏の指導を受けて点検も行いました。その後は、ブランチ茅ヶ崎2に作品を搬入し、株式会社東京スタデオのインストーラー(展示設営技術者)を務める山田雄一氏とともに設営・展示作業に取り組みました。作品展示の配置を考えた学生たちは「自由で型にはまっていない作品を世に出す手伝いができてうれしい」「この展示を通して、たくさんの人に障がい者アーティストの作品を見てもらえれば」と話していました。また、21日には県立青少年センターでアール・ド・ヴィーヴルに所属するアーティストの作品を展示しました。さらに、1、2期に続いてオンライン展示も行い、本学松前記念館サイト内の特設ページで展示作品を紹介する予定となっています。

翔の会課長の信田美絵氏は、「ともいきアート事業に参加させていただくのは今回が初めてです。学生さんの作業は、プロの業者のように丁寧で一つひとつの作品を大事に扱ってくださってとてもうれしく思います。これまで翔の会内では展示企画を何度か行ってきましたが、神奈川県の事業として多くの人の目に触れる商業施設に展示してもらえたことで、多くの人がダイバーシティ社会について考えるきっかけになるのではないでしょうか」と話し、本事業を担当する神奈川県福祉子どもみらい局共生推進本部室共生グループ主任主事の山下大樹さんは、「3期にわたって学生の皆さんが展示品の梱包作業や展示作業に取り組んでくれてとても感謝しています。障がいを抱えるアーティストとかかわる過程で、ともいきアート事業の意義を感じてもらえたのではないでしょうか」と語っていました。

篠原准教授は、「障がい者アーティストの創作物が展示される場は限られてしまっており、このような機会をさらに増やしていくとともに、誰もが美術を楽しめるように活動の幅を広げていきたい」と意欲を見せていました。