李准教授が国際学会「IYAFA2022 クロージングセレモニー for アジア」で講演しました

海洋学部水産学科の李銀姫准教授が2月28日に、タイ・バンコクを拠点に対面とオンラインのハイブリッド形式で開催された国際学会「零細漁業と養殖業の国際年(IYAFA2022)クロージングセレモニー for アジア」で講演しました。IYAFA2022は、小規模漁業と養殖業における課題や食料安全保障問題の解決などを目指し、2017年の国連総会で制定されたものです。期間中には世界中で250以上の関連イベントが開かれたほか、300を超えるレポートや書籍などの出版物が公開されました。クロージングセレモニーは、国境をこえてその成果を共有し、今後への課題を探ろうと開催されたものです。

李准教授は講演で、自身がコーディネーターを務める日本小規模漁業研究ネットワーク「TBTI Japan」の活動や、国内の研究者と共同でまとめた書籍『In the Era of Big Change : Essays About Japanese Small-Scale Fisheries』などを紹介。また、昨年5月に清水テルサ(静岡市清水区)で開かれた国際会議「世界小規模漁業会議・アジアパシフィック」にも触れ、「ジェンダーやフード、ガバナンスをはじめとした6つのテーマのもと、研究者や行政、漁業関係者とともに議論しました。日本をはじめとするアジア・太平洋地域の小規模漁業について認知度が高まり、持続可能性を確保するための認識を共有できました」と成果を語りました。また、「TBTI Japanでは来年度、漁業関係者の声なども含め、日本の小規模漁業のあらゆる側面を盛り込んだ『小規模漁業白書』プロジェクトを正式に立ち上げます。政策や施策決定において重要な役割を果たすと考えており、4年に一度の更新を予定しています」と発表しました。

李准教授の講演について、国際小規模漁業研究ネットワーク「TBTI Global」のディレクターを務めるラタナ・チュンペッディ教授(カナダ・ニューファンドランドメモリアル大学)は、「TBTI Japanによるさまざまな活動は、小規模漁業の認知度向上や支援において大きな役割を果たしています。これらは、李准教授をはじめ同ネットワークのメンバー達が懸命に取り組んだ成果であり、それらを支えてきた東海大学海洋学部の功績でもあります。来年度ローチングされる小規模漁業白書も非常に意義深いものだと感じています」と話されました。