「日本体育測定評価学会 身体科学研究会 合同大会in湘南平塚」が開催されました

3月12日に湘南校舎で、「日本体育測定評価学会第22回大会 第5回身体科学研究会 合同大会in湘南平塚」が開催されました。日本体育測定評価学会は体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の萩裕美子教授が、身体科学研究会はスポーツ医科学研究所の宮﨑誠司所長が大会長を務め、どちらもコロナ禍の影響で3年ぶりに対面での開催となりました。

特別講演では、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の木村聡貴氏が「スポーツ脳を測る」と題して登壇。アスリートの潜在脳機能を解明し、鍛えるトレーニング手法を開発する「スポーツ脳科学プロジェクト」を紹介しました。女子ソフトボール日本代表のレギュラーと新人選手による速球と遅球の打ち分けスキルの比較評価や、VRを用いて相手投手が投げるときにどこを見ているかを検証した研究を紹介し、「エキスパートは投手の投球動作から球種を予測し,スイングタイミングを調整している」と解説。野球選手の打撃時の視線を解析した研究については、「バットコントロールだけでなく、ヒットポイントを予測して視線を運ぶスキルにもうまさの違いがあるのではないか」と語りました。

その後のシンポジウムでは、3名の講演者がそれぞれの研究を紹介しました。「アスリートの身体負荷モニタリングに関する近年の取り組みと今後」と題して講演した体育学部競技スポーツ学科の小山孟志講師は、副部長を務める男子バスケットボール部の選手を対象にした研究を解説。ゴール下でのぶつかり合いやシュート後の着地、次のプレーに切り替える際のブレーキといった外的負荷を腰につけたセンサーで数値化し、練習メニューに生かしている例を紹介しました。情報通信学部情報通信学科の大竹恒平講師は、「スポーツ領域におけるデータ・サイエンスの活用 身体組織及び体力測定データを用いた,プロバスケットボールリーグの加入判別モデルの構築」をテーマに発表。こちらも男子バスケ部の協力の下、プロバスケットボールBリーグ加入に必要な体力要素と基準値を特定するモデルを作成した成果を語りました。また、名古屋大学情報学部コンピュータ科学科准教授の藤井慶輔氏は「集団スポーツの動きに関するデータ分析の概要と今後の展望」と題して発表。最後に、座長を務めた体育学部体育学科の山田洋教授と天理大学体育学部体育学科教授の中谷敏昭氏の司会で質疑応答も行われました。

その他にも、「スポーツと分析」「子どもと教育」「体力とパフォーマンス評価」「高齢者と健康」のテーマで口頭発表が行われ、ポスター発表も実施。17号館1階の「スポーツ&ヘルス・イノベーションプラザ」(SHIP)では動作解析ができるトレッドミルが紹介されたほか、身体科学研究会のプログラムとしてスポーツ医科学研究所プロジェクト報告も行われました。

※肩書は当時