熊本キャンパスで平和戦略国際研究所の末延所長による講演会を開催しました

熊本キャンパスで10月20日に、東海大学平和戦略国際研究所の末延吉正所長(政治経済学部政治学科教授)による講演会「2021夏~秋 コロナ禍の日本が変わる!! 総選挙『一票』で変える民主主義の価値を考える」を開催しました。新型コロナ禍の中で今年10月の自民党総裁選から衆議院選挙まで政治を巡る社会が激動する中、本キャンパスの学生や教職員に考える機会をもってもらおうと企画したものです。学生や教職員ら約70名が参加しました。

当日は、フェニックスカレッジオフィス熊本の橋本成人ゼネラルマネージャーによるあいさつに続いて、末延所長の紹介ビデオを上映。テレビ朝日のニューヨーク特派員やバンコク支局長として活躍した当時や、ジャーナリスト、大学教員としての歩みを紹介しました。続いて登壇した末延所長は、湘南キャンパスの文化社会学部広報メディア学科や政治学科での授業の内容をはじめ、自らの学生時代の学び、安倍元首相や菅前首相とのかかわりなどジャーナリストの仕事の魅力について語るとともに、「現場を見ることが大切。ネット社会が進化しているがフェイクニュースにあふれている。嘘に騙されてはいけない」と話し、政党によるインターネットやSNS活用の様子、インターネット上の話題をもとにつくられるテレビ番組の問題点を指摘。「情報は独り歩きするもの。自分が得た情報の真贋をしっかりと確かめるメディアリテラシーを身に付けなければならない。その情報で誰が得をするのか見極めることが重要」と呼びかけました。

さらに、メディアの政治的偏向を巡る諸問題やテレビ局が恣意的につくりだす映像による印象操作の仕組みなどについてユーモアや実演も交えながら熱弁し、新型コロナ対策や東京五輪・パラリンピック、自民党総裁選の内幕などについても、ジャーナリストとしての取材から得た政治家個々のキャラクターや心の移り変わりといった秘話を披露しながら、「すでに始まっている総選挙では、君たちの『一票』で社会が変わります。学生たち20代の若者にも社会に対してさまざまな不満があるはずです。それに正当な理由があるのであれば、主張しなければならない。一票の積み重ねは後から必ず分析されます。20代が何を考え、主張しているのかを示すのが投票なのです。“若者が投票に行かない”と言われるが、大人としての行動をすれば必ずいい気分になるものです。投票率が6割台後半までいけば社会は変わる。フェイクニュースに騙されず、オリジナルニュースを探し、バイアスのかかった情報を見極めて、あきらめず、面白がって社会にかかわってください」と呼びかけました。

質疑応答では、参加者からの質問に答える形で、末延所長が自民党総裁選に立候補した政治家のキャラクターや、政治的主張の変遷、衆院選における野党の存在感低下などの問題を鋭く指摘しました。最後に藤本邦昭シニアマネージャー(基盤工学部長)があいさつし、「政治の裏側など、なかなか聞くことのできない興味深いお話でした。学生たちも関心を高めてくれたことと思います」と話しました。