オンラインで「第39回留学生による日本語スピーチコンテスト」を開催しました

語学教育センターが11月28日に、「第39回留学生による日本語スピーチコンテスト」を開催しました。留学生に日本語学習の成果を発表してもらうために毎年秋学期に実施しているものです。今回は新型コロナウイルス感染予防の観点から湘南キャンパスからオンラインで配信し、別科日本語研修課程の学生と学部や大学院の留学生などの中から審査で選ばれた7名がコンテストに臨みました。

開会にあたり語学教育センターの山本佳男所長があいさつし、「今回は7カ国の学生がスピーチをするので非常に楽しみです。単に日本語を話すのではなく、心に訴えかけるメッセージや内容が聞けることを期待しています。これまで練習してきた成果や知識を存分に披露してください」と話しました。出場者は留学生や教職員ら約60名が聴講する中、日本や母国での体験や日ごろ考えていることなどをテーマに5分間でスピーチ。教員と学生代表計4名が「言語的表現」「非言語的表現」「内容」「構成」「全体の印象」の5つの観点から審査しました。

1位に選ばれたインドネシア出身のディアス・ニサさん(文化社会学部広報メディア学科1年次生)は、「私を変えた言葉〜諦める〜」と題してスピーチ。2019年に来日したニサさんは、アルバイトと学業の両立で苦労した経験を話し、「多忙ですべてのことに手がつかず、何に対しても頑張れなくなってしまいました。そんな時に母から『人は輪ゴムに似ている。いろいろな物事を束ねることができるけれど、引っ張り続けるといつか切れてしまう』という助言をもらいました。考え方が変わり、“頑張らなくてはいけない”という重圧から解放されたことで肩の荷が下りました」と語ります。最後に視聴者に対して「あきらめずに頑張ることは素晴らしいですが、過度な執着やすべてをこなそうとすると人は余裕がなくなってしまいます。頑張ることも大切ですが、自分の限界を考えない頑張り方は危険です。あきらめることは必ずしも悪いことではなく、価値のある選択です」とメッセージを送りました。

【表彰結果】 
1位「私を変えた言葉〜諦める〜」
ディアス・ニサさん(インドネシア/文化社会学部広報メディア学科1年次生)

2位「日本語と私」
グリツェンコ・ポリーナさん(ロシア/極東連邦大学・科目等履修生)

3位「私の日本語勉強法」
ヤーン ダイシュエンさん(中国/文化社会学部心理社会学部3年次生)

その他登壇者とスピーチテーマは下記のとおりです。
◇「一番尊敬している人」
ネイサン・エイミーさん(アメリカ/別科日本語研修課程3クラス)

◇「間仕切りカーテンと突っ張り棒」
ソリマン・ゼヤドさん(エジプト/海洋学部海洋機械工学専攻1年次生)

◇「私と小説と日本と」
サップシリサワット・プーンポーンさん(タイ/大学院海洋学研究科海洋学専攻1年次生)

◇「家族とベルリンの壁」
フィッシャー・フェリックスさん(ドイツ/別科日本語研修課程3クラス)