南阿蘇村黒川地区創造的復興プロジェクトとユニークプロジェクト「阿蘇復興への道」が合同で旧阿蘇キャンパスへの専用道路で清掃作業を実施しました

九州キャンパスでは熊本県、南阿蘇村と協力して取り組んでいる南阿蘇村黒川地区創造的復興プロジェクトの一環で、12月18日に本学旧阿蘇キャンパス(現・阿蘇実習フィールド)内の専用道路の清掃作業を実施しました。同地区は2016年の熊本地震発生まで、本学農学部の学生約800名が暮らした「学生村」でしたが、地震で甚大な被害を受け学生も熊本キャンパスに学びの場を移しています。本学では熊本県、南阿蘇村とともに同地区の復興を進めることを目的に本プロジェクトを推進しており、今回の取り組みは黒川地区で震災の記憶を語り継ぐ活動を展開している本学スチューデントアチーブメントセンター・ユニークプロジェクトの「阿蘇復興への道」との合同企画として実施し、当日は学生、教職員や熊本県企画振興部地域振興課、南阿蘇村の職員、地元企業の関係者、地元住民ら約70名が参加しました。

清掃は地震で崩落した阿蘇大橋の付け根にあたる旧阿蘇キャンパスの入口から旧望星橋(現在は撤去)までの約1kmで実施。初めに荒木朋洋九州キャンパス長と黒川区長の古庄 幸男さん、学生代表として阿蘇復興への道代表の中山魁仁さん(農学部応用植物科学科)があいさつし、それぞれに地区への思いや活動への意気込みを語りました。その後は参加者がそれぞれに持ち場を移りながら、歩道を埋めた枯葉や枯れ枝、雑草などを取り除いていきました。また、旧阿蘇キャンパス内に開設されている熊本県の震災遺構ミュージアムに、10月に設置された「人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のキャラクター「ロビン」の銅像※の清掃も行い、学生たちは丁寧な手つきで像を磨き上げました。

清掃終了後には集めた落ち葉や枯れ枝を使い、阿蘇実習フィールドで収穫したサツマイモを焼き芋にして、学生と住民ら参加者が交流を深めました。荒木キャンパス長は、「アスファルトの隙間から生えた雑草の根なども多く大変だったと思いますが、皆さんのおかげで道路がきれいになりました。このような取り組みを今後も続けていきたい」と話しました。また、参加した学生たちからは、「震災以前に農学部の先輩方がこの道を通ってキャンパスへと向かっていた姿を想像しながら掃除しました。豊かな自然に恵まれたキャンパスに自分も通ってみたかった」「熊本県内出身なので、子どものころから東海大学といえば農学部のイメージが強く自分も阿蘇に通いたいと考えていたので、震災でキャンパスがなくなってしまったのはショックでした。でも、このような形で南阿蘇の皆さんと交流でき、やりがいを感じています」といった声が聞かれ、阿蘇復興への道代表の中山さんは、「新型コロナ禍で活動に制限があり、メンバーも少ない状態ですが、今回の取り組みをきっかけに地震の被害について語り継いでいきたいという思いを新たにしました」と活動への思いを語っていました。