国連大学SDG大学連携プラットフォームが認定する授業の修了式を行いました

湘南キャンパスで5月30日に、国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG-UP)が認定する一般教養科目「国連SDGs入門―『行動の10年』のためのサステナビリティの学び」の修了式を行いました。SDG-UPは国連大学サステイナビリティ高等研究所が中心となり、SDGsの達成に向けて積極的に取り組む意欲のある日本の大学が連携できる場として2020年に設立されました。本学を含む32大学が参画しており、日本と世界の持続可能な発展に貢献することを目指しています。

この活動の一環である「国連SDGs入門」は、環境やジェンダー平等などSDGsに掲げられた目標について、先駆的な取り組みを展開している12大学がそれぞれの得意分野について制作した講義動画と、それぞれのテーマに沿ったディスカッションにより構成される科目です※。2022年度は、参画大学の学生が合同で受講するオンライン集中講義として実施されたとともに、本学では全学部の学生を対象とした選択科目「社会的課題の理解と探求A/ パブリック・ワークA」として単独でも開講しました。学生たちは各大学が提供した講義動画を視聴した後、授業担当教員による補足説明を踏まえ、4、5名のグループに分かれて各回のテーマに沿ってオンライン上で討議しました。春学期、秋学期の本学授業、参画大学との集中講義合わせて54名の学生が履修し、修了式では5名の学生に吉川直人副学長が修了証を手渡しました。

木下弥玲さん(教養学部4年次生)は、「これまで授業でたびたびSDGsに触れてきたので、より詳しく学びたいと思い受講しました。来年には就職するので、個人はもちろん、会社全体でできるSDGsの取り組みを考えていきたい」と意欲を語りました。林晃一さん(工学部3年次生)は、「サプライチェーンをテーマにしたグループディスカッションで、一つの商品の原材料がどこの国から輸出され、どれだけの国を通って手元に届いているのかを考え、新しい知識を得られたことがとても印象に残っています。情報を集め、意見を出し合い、まとめていった経験を今後の授業にも生かしていきたい」とコメント。集中講義を受講した佐藤光さん(教養学部3年次生)は、「他大学の学生とのディスカッションはとても刺激的で、ラインのグループをつくってSDGsに関するイベントの情報交換などもできました。先生方からは北極調査の話や気候変動と環境問題など、実際の現場の声を聞けてとても勉強になりました」と学びを得ていました。

授業を担当したスチューデントアチーブメントセンターの二ノ宮リムさち教授は、「この講義では、国内外でさまざまな経験を積んでいる専門家や現場の実践者たちの話を聞き、SDGsの表面的な理解よりも具体的な視点や行動につながる気づきを得てほしいと考えています。今後も他大学との連携を深め、よりよい授業を展開していきたい」と話しています。

「国連SDGs入門―『行動の10年』のためのサステナビリティの学び」講義動画提供大学・講師(2022年度、肩書は当時)
▽共通の前提:開発パラダイムの変遷とSDGs―規範と実践の間から(UNU-IAS/関西学院大学)村田俊一教授/SDG-UPアドバイザー
▽開発・国際(東京外国語大学)アフリカからSDGsを考える―食料問題と平和を中心に―  武内進一教授・松隈潤教授
▽開発・国際(国際基督教大学)SDGsをめぐるグローバル・ガバナンス 吉川元偉元国連大使・有馬利男GCNJ代表理事・毛利勝彦教授
▽環境・持続(北海道大学)SDGs13と14に関連する学術活動としての気候科学と海洋科学 山中康裕教授・野村大樹准教授
▽環境・持続(東京都市大学)SDGsの潮流とカーボンニュートラルの実践 佐藤真久教授・伊坪徳宏教授
▽経済・投資(上智大学)SDGs と ESG投資 引間雅史特任教授
▽経済・投資(愛媛大学)ヒトとヒト,ヒトとモノ,モノとモノのつながり 小林修准教授
▽外国・共生(神奈川大学)アジア(中国・韓国・台湾)と日本のSDGs活動 孫安石教授
▽外国・共生(関西学院大学)日本における移民・外国人の受入れとSDGs 志甫啓教授
▽ジェンダー・人権(ノートルダム清心女子大学)行動と変化から学ぶ:SDG5実践編 濱西栄司准教授
▽ジェンダー・人権(お茶の水女子大学)ジェンダー基礎論・組織を強くする評価 岡村利恵特任講師
▽参画・変革(奈良教育大学)歴史文化遺産を通したESD 中澤静男教授
▽参画・変革(東海大学)持続可能な未来を創る~わたしたちのシティズンシップ 二ノ宮リムさち准教授・池谷美衣子准教授