農学部および大学院農学研究科では、タイ王国メジョー大学(Maejo University, Thailand)からの教員や留学生を継続的に受け入れています。この取り組みは、両機関による国際学術交流と連携を目的とした協定校交換研究留学プログラムの一環として行われています。
新型コロナウイルスの感染防止策として、しばらくの間、留学が困難な状況がありましたが、国際的な渡航が再開されたことに伴い、今年度は11月上旬から1ヶ月間、パイローテ・ウォングプティスィン博士(Dr. Pairote Wongputtisin)が、阿蘇くまもと臨空キャンパスでアスパラガスの未利用部位抽出物のin vitroでの機能性について研究活動に従事しています。
バイオテクノロジー、発酵技術、機能性食品開発を専門とするパイローテ博士は、乳酸菌等による発酵や農畜産物の加工と機能性を中心に教育研究を行っており、11月15日には食生命科学科の授業科目「食の科学」(授業担当教員:同学科の安田伸教授)の中で、「タイのローカルフードの紹介(Brief introduction to local Thai foods)」と題して、タイの各地域の伝統料理や発酵食品の話題、スパイスに含まれる植物由来化学物質による健康有益性について紹介しました。
また、さまざまな伝統的な発酵食品を製造する際の有用微生物の利用法に加えて、自身の研究の一部を解説しました。
ミニ講義は英語で行われましたが、約150名の学生が受講するなかで質疑応答もありました。学生たちからは、「カラフルなタイ料理について興味を持ちました」、「国ごとの発酵食品の違いをもっと知りたいです」といった感想が聞かれました。
本学では、協定校との交流を通じて国際的な視野を持つ学生の育成に力を入れています。
今後も引き続き、国際的な教員交流や留学プログラムを推進し、国際的な連携を進めていくとともに、異文化理解や食と科学のさらなる発展に寄与していく予定です。