吉川直人副学長の最終講義と国際学科同窓会「飛翔会」総会を開催しました

品川キャンパスで3月23日に、吉川直人副学長(国際担当、国際学部・教養学部教授=当時)の最終講義と国際学科同窓会「飛翔会」総会を開催しました。吉川副学長の最終講義には同窓生・在学生ら約80名が参加。まず、荒木圭子国際学部長が「いつも世界を飛び回っている吉川先生からは、密度濃く多くのことを学ばせていただきました」と話し、吉川副学長が3月末で本学を退任した後、4月からハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)の学長に就任することを紹介。続いて吉川副学長が登壇し、「国際開発理論の変遷と私」をテーマに最終講義を実施しました。

吉川副学長は1985年から国連開発計画(UNDP)の財政官としてザンビアに勤務。87年から95年まで国連食糧農業機関(FAO)のエコノミストとしてローマ本部に、さらにプログラムオフィサー・代表代理としてトリニダード・トバゴ、ガイアナ、スリナム、バングラデシュで各国の開発に従事した後、2002年から本学の教養学部国際学科教授に就任。HTIC に勤務し学長を務めたほか本学パシフィックセンター所長などを歴任。17年から本学副学長を兼任してきました。

最終講義では、第二次世界大戦直後の1940年代から始まり、経済成長と発展=開発、人間開発・社会開発、持続可能な開発、人間の安全保障、さらにMDGsとSDDsといった現在に至るキーワードを掲げ、「私にとっての開発とは、何びともの人権、人間としての尊厳をさまざまな脅威から守れる社会をつくること」との持論を軸に、自身の豊富な海外体験で得た知見を余すところなく披露。これまでの数々の出会いを振り返り、最後にチャールズ・ダーウィンの「旅はあなたに不信感を抱かせるはずだ。しかし同時に、これまで交流のなかった、あるいはこれからも交流することがないような人が、自分にとっては、無欲な援助を提供してくれる本当に心優しい人々が、どれほど多く存在するかを知るだろう」という言葉を引用し、講義を締めくくりました。終了後は聴講者から各国の相対的貧困率、労働力や資源の収奪を避ける方策、新たな国際法の枠組みなどさまざまな質問が寄せられ、吉川副学長が丁寧に答えました。

その後、会場を移して国際学科同窓会「飛翔会」の総会を開催。海外で活躍する多数の同窓生も含む100名近くが集いました。国際学部の和田龍太准教授の司会進行で会は和やかに進行し、最終講義を実施した吉川副学長に花束や記念品が贈呈されました。また、会場では国際学部の学生有志が、セッション科目などで学んでいるアフリカ・ブルンジ共和国からフェアトレードで輸入したコーヒーの味わいを紹介するブースを出展。学びの成果や日ごろの活動について同窓生らと活発に意見を交わしました。