国際文化学部地域創造学科の植田准教授が「プロギング」を通じた身体的・心理的効果の検証に取り組んでいます

国際文化学部地域創造学科の植田俊准教授が、一般社団法人北海道海洋文化フォーラムが5月19日に札幌市・円山公園で実施したイベント「ガールスカウト プロギング in 札幌・円山公園」に協力。活動量計を用いて参加者の心拍数や消費カロリーの計測などを通じて、身体的・心理的にどのような効果があるかといった検証に取り組んでいます。プロギングはスウェーデン発祥の健康づくり活動で、歩いたり走ったりしながら街中のごみを拾うものです。今回のイベントは日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で行われ、ガールスカウト北海道地区札幌地区協議会と本学科が協力。ガールスカウトの隊員や関係者ら約90名が参加しました。

5月19日に札幌市・円山公園で実施された「ガールスカウト プロギング in 札幌・円山公園」の様子

札幌キャンパスの生物学部と北海道地域研究センターでは、より多くの子どもたちに海洋に対する興味を持ってもらうため、知識を伝える場としてこれまでも日本財団などが展開する海と日本プロジェクトによる教育プログラムに協力。生物学部の南秀樹学部長、大橋正臣教授、野坂裕一講師、北海道地域研究センター所員でもある植田准教授がプログラムの監修や講師を務めてきました。今回の取り組みも「海と日本プロジェクト」からの委託を受けたもので、植田准教授の研究は北海道地域研究センターのプロジェクト研究にも採択されています。

当日会場に駆けつけて計測を担当した植田准教授は、「今回の活動はゆっくりとした歩行と休止がある活動でした。本来のプロギングはジョギングにごみ拾いの活動が加わるため、相当な消費カロリーになると推察できます。スポーツや運動の日常的実施に対する抵抗感が強い方には『ゆっくりとした歩行』でも十分な運動量になると考えられます」と話します。イベントに際して、参加者のうち10名にプロギングの前後1週間、日常生活から活動量計を装着して、日々の消費カロリーなどを記録してもらいました。イベント後は、対象者へのアンケート調査も実施。プロギングに取り組んでいた時間の長さの感覚や今後への意欲などを聞き取り、運動効果を明らかにしていく計画です。植田准教授は、「参加者の方たちが“楽しかった”“あっという間に終わった”といった感想を持たれていて、さらに“もっと取り組んでみたい”“苦にならない”などの強度評価であれば、本格的なスポーツに取り組まなくても気持ちも楽に運動量を確保できる可能性があります。また、このようなイベントに学生がうかがい、効果検証に参加することでフィールドワークの舞台としても有効に活用できるのではないかと期待しています」と話しています。検証の結果は2025年初頭に東海大学札幌キャンパスで開催を予定している研究会で発表する予定です。