湘南キャンパスで活動するチャレンジプロジェクト「Beijo Me Liga」が、8月23日から25日まで、本キャンパスでマルチカルチャーキャンプを開催しました。「Beijo Me Liga」は、日本で暮らす外国籍の子どもたちを対象に、支援活動や異文化交流を通して互いの文化に触れ合える場をつくり子どもたちと関わることで、視野を広げて新たな視点から自分たちを見つめ成長することを目標に、約70名の学生が活動しています。今回のイベントは、多様な背景のある子どもたちが学生と触れ合い、自分の未来について前向きに考えられるようになってもらおうと開いており、通算16回目の開催となりました。
今回は約50の学生が参加し、岐阜・茨城・群馬・埼玉の各県にあるブラジル人学校から約30名の子どもたちや教職員を迎え、3日間にわたって交流しました。初日は体操体育館付近の屋外で「巨大絵」の制作に挑戦。養生シートを敷いた上にパブロ・ピカソの名画『ゲルニカ』と同じ大きさの布を広げ、水性絵の具を用いて手形を押したり思い思いの色を塗ったりして参加者全員で大きな花の絵を仕上げました。2日目は、各学校からアイデアを募り、午前中は学校や年齢をこえたチーム編成で楽しむスポーツ大会を実施。午後は、学生が指導役となって提灯を組み立て、夕食後は「芝生広場パレット」のステージに明かりを灯し、楽器演奏や踊り、即興劇などを思い思いに楽しむブラジル式の夜会「サラウ」で親睦を深めました。最終日は、ブラジルのダンス「ビオダンサ」の日本における第一人者である内田佳子さんとビオダンサ公認ファシリテーターの小貫早苗さんを講師に招き、音楽に合わせてさまざまなダンスを楽しんでさらに親睦を深めました。最後に、埼玉県にあるブラジル人学校「TS学園」から、感謝の言葉とともに顧問の小貫大輔教授にこれまでの交流を記録した写真集が贈られ、小貫教授は「15〜16年にもわたって交流している学校が何校もあります。これからもつながり続けられたら」と話しました。
参加した子どもたちからは、「一番楽しかったのは、大学生や他の学校の人など新しい人に会えたことです」といった感想が聞かれました。メンバーの学生は、「普段は関わりがない人とも、アクティビティーを通して仲間意識を深めることができました。子どもたちと交流して一人ひとりのルーツを知り、あらためてコミュニティーを広げることの大切さを感じました」と話しました。
プロジェクトリーダーの濱村咲希さん(文化社会学部2年次生)は、「子どもたちは皆、遠方から来てくれるので、思い出に残るキャンプにしたいと思い、普段はできないような体験を通して楽しみと学びを得てもらえるアクティビティーを考えました」と振り返りました。16回目を迎えた今回のキャンプについて、「先輩たちから受け継いだ伝統的な部分もある一方で、子どもたちに対して何ができるのかを毎回、1から考えて企画しています。これからも、子どもたちに非日常的な体験を楽しんでもらい、未来への夢を育んでもらうとともに、メンバー同士が学び合いつながりを深める機会として継続していければ」と話しています。