東海大学学生ロケットプロジェクトが大樹町でH-63号機の打ち上げに成功しました

湘南キャンパスで活動するToCoチャレ「東海大学学生ロケットプロジェクト」(TSRP)が3月11日に、北海道大樹町でハイブリッドロケット(H-63号機)の打ち上げに成功しました。TSRPでは将来の宇宙技術者を目指して、宇宙理工学の実践的な知識・技術の習得に努めています。例年、秋田県で行われる能代宇宙イベントと大樹町で打ち上げ実験を実施しており、大樹町での打ち上げ実験は通算31回目となりました。今回は将来的な高度100km以上の宇宙空間到達を見据えた10角形パラシュートの技術実証がメインで、従来の6角形から多角形化することで強度を大幅に向上させた新型パラシュートを搭載し、過酷な高高度環境下での安定した回収システムの確立を目指しました。

学生たちは「燃焼班」「計測制御班」「構造機構班」「統合解析班」「広報班」に分かれて準備を進めてきました。広報班の堤大樹さん(大学院工学研究科1年次生)は、「若手育成も目的の一つなので、1・2年次生を中心に昨年の9月ごろから基板製作やカプラといった部品を加工するところから始めて、ロケットを形にしました。新型パラシュートもパラグライダーなどに使われる材料を切り出し、縫い合わせて製作しています」と説明します。新設された統合解析班の班長を務める栗田隼兵さん(工学部2年次生)は、「飛翔シミュレーションと構造解析が主な役割で、各班からの要望を受けてさまざまな解析を担当します。先輩から教わったり、独学で勉強したりと、難しさはありますが、現場では私たちが発射10分前にシミュレーションで安全を確認してから打ち上げに進むので、大きな責任感とやりがいを感じています」と話しました。

学生たちは大樹町での打ち上げに向けて、湘南キャンパス内でリハーサルを重ねて3月6日に現地入り。本番を迎えた8日は、大雪のため、打ち上げは中止となりましたが、約20名のメンバーが大樹町宇宙交流センター内の格納庫で機体の整備に取り組みました。予備日である9日と10日は度重なる機体トラブルで打ち上げを断念。それでも学生たちは懸命に原因究明に励み、11日の午後3時ごろにラベンダーカラーのロケットが打ち上がりました。高度227mまで到達し、機体を安全に落下させるためのパラシュートも開いて、射点から北東307mの地点に落下して成功となりました。プロジェクトリーダーの齋藤璃乃さん(理学部2年次生)は、「メンバー全員が協力的で、射場での動きもよく、いい経験が積めました。今回の打ち上げに向けて、全体を広く見てアドバイスする技術リーダーを設け、広報班はSNSでの発信やライブ配信にも力を入れてきました。経験を生かして8月の能代宇宙イベントで高高度化に挑みたい」と意気込みを語りました。プロジェクトアドバイザーの川端洋講師(工学部)は、「ロケットを一から作り、打ち上げるまでの工程は経験してみないと分かりません。現場では一人ひとりが主体的に動き、成長する場にもなりました」と学生たちの成長を見つめていました。