TKSPが気仙沼で高鮮度ヨシキリザメの基礎調査を見学しました

ユニークプロジェクトの「Tokai Kesennuma Shark Project」(TKSP)が、9月9日から11日にかけて宮城県気仙沼市を訪問。サメの街 気仙沼構想推進協議会の委託により実施された水産総合研究センターの「正肉利用に向けた高鮮度ヨシキリザメ基礎調査」を見学しました。ヨシキリザメは気仙 沼の特産品であるフカヒレの原料だけでなく、身の部分はすり身状に加工され、かまぼこなどの原材料として使われてきました。しかし水分が多く、鮮度が落ち るとアンモニア臭が強くなることから、生食などの一般的な食材としては敬遠されています。そこで、氷でマイナス1~2℃に維持したままの生の様態で水揚げ した高鮮度ヨシキリザメの成分調査を行うことで、よりおいしい状態で食べることのできる管理方法の研究が進められており、今回の調査もその一環です。

9 月10日深夜に気仙沼港で水揚げされたヨシキリザメは約50t。1匹10kg~30kgほどのヨシキリザメが鮮度保存のために氷につけられたまま次々と水 揚げされる様子を、研究センターの研究員から説明を受けながら見学。サメの中からいくつかのサンプルを選び出して捕獲時間を記録し、温度計をつけて捕獲後 の温度変化データを収集、水揚げ後の鮮度変化データを集めるのを手伝いました。調査終了後には、フカヒレ加工会社の(株)中華高橋のふかひれ工場と、 (株)ムラタのすり身加工工場を見学。その際、(株)中華高橋の畠山清さんと(株)ムラタの村田進さんから、復興が遅れている被災地の現状も教えていただ きました。

気仙沼訪問チーム・リーダーの藤原大志さん(工学部精密工学科2年次生)は、「気仙沼の人たちの復興のための努力を目の当たり にして、自分たちにできることは何かを真剣に考えたいとあらためて思いました。観光地として、水産業の拠点としての気仙沼の復興はまだまだ進んでいませ ん。この現状を多くの人に伝え、サメ革の活用やサメ食の普及のためにもっと積極的に活動していきたい。サメ食はとてもおいしいので、皆さんに食べてほしい です!」と語っています。なお、TKSPでは今回の経験をもとに、ヨシキリザメをもっと多くの人に食べてもらうための新たなレシピ開発を行う予定です。

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