第 14回チャレンジセンターセミナーを開催しました

第 14回チャレンジセンターセミナー・To-Collabo市民セミナーを、7月3日に湘南キャンパス8号館で開催しました。本セミナーは、文部科学省「地(知)の拠点整備事業」に採択された「To-Collaboプログラム※」の一環として実施したものです。当日は、東日本大震災の避難所で長期にわたりボランティア活動に携わっている映画監督の小川光一氏を講師に招き、小川氏が被災地で撮影したドキュメンタリー映画の上映と、「”その時”あなたは大切な人を守れますか」と題した講演を実施。高輪・代々木・清水・熊本・阿蘇の5キャンパスとテレビ会議システムでつなぎ、学生や教職員、地域住民など約300名が聴講しました。

はじめに、本センター次長の崔一英教授が「国内外でボランティア活動を展開している小川光一監督の生き方を、ぜひ今後の活動や人生の糧にしてください」と挨拶。続いて、小川氏が監督・撮影した映画『あの街に桜が咲けば』を上映しました。これは、岩手県陸前高田市で、東日本大震災の際に津波が到達した地点に1万7千本の桜を植える活動を続ける、「NPO法人桜ライン311」の取り組みを紹介した映画です。小川氏は「悲しみを繰り返さないために何ができるのか、自問自答しながら植樹を続ける人々に共感した」と映画制作の理由を説明。「被災地で奮闘する人々の姿を通して、自分の住む街や家族についてあらためて考えてほしい」と語りました。

また、語学力を高めるために出かけた海外での体験についても語り、スペインのホームレス青年やインドネシアのスラム街の若者との出会いから、「悲惨な状況にある人々を、見て見ぬふりはできないと考えた」とボランティアを始めた経緯を紹介しました。さらに、日本が世界第4位の多雨国で、同第2位の火山保有国であることなどをクイズ形式で説明したほか、街頭インタビューで見えてきた「日本人の防災意識の低さ」について解説。「災害は他人事ではない。自分の大切な人を守るために、”いざ”というときに何ができるのかを、日ごろから考えて準備しておくことが大切です」と力説しました。

聴講したプロジェクトメンバーたちは、「『他人の痛みをどこまでも想像できる人間であれ』という言葉に感銘を受けました」「甚大な災害に遭遇したときにパニックにならないよう、防災に関する知識を深めたい」などとコメント。また、参加した市民は、「震災の被害を風化させず、教訓として残すことの大切さに気づきました。小川さんの話を家族と共有し、防災対策について話し合おうと思います」と話していました。

※「To-Collabo(トコラボ)プログラム」

文部科学省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業」に採択されたプロジェクト。全国にキャンパスを有する本学ならではの「全国連動型地域連携活動」を柱に、地域特有の問題や共通課題を各校舎の各部、学生、研究者が共有し協力して解決策を見いだす取り組みです。

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