3.11生活復興支援プロジェクト大船渡市三陸町起喜来泊地区で「結の道・第一期開通式」を開催しました

東海大学チャレンジセンター・3.11生活復興支援プロジェクトが11月13日に、大船渡市三陸町起喜来おきらい泊とまり地区で「結の道・第一期開通式」を開催しました。同プロジェクトでは2011年3月の東日本大震災発生直後から同地区に応急公民館を建設し、地域交流イベントの開催や復興まちづくりに積極的に協力するなどさまざまな支援活動を継続的に展開してきました。今回メンバーが整備した『結の道』は、震災による防災集団移転促進事業で高台と低地に分断されてしまった住宅地間に新しく遊歩道を整備して結ぶことで、両地の距離を縮めようというものです。さらに、津波の到達したラインを示すことで日常からその高さを認識し、災害時における避難の目印・避難経路として役立ててもらおうと2014年8月から計画を進めてきました。

整備に当たっては、幅約1mの道に沿って雑草を取り除き、ウッドチップを敷設。このたび、全長800mのうち約250mの区間が完成し、開通するはこびとなりました。また、今回は住民の皆さんが震災で流された橋を、道の整備と同時期に掛け直した『結の橋』も完成しています。開通式は、住民に道と橋の存在をより詳しく知ってもらい、普段から散策路として活用してもらうことを目的として実施しました。

式ではまず、泊区の林明区長があいさつに立ち、プロジェクトメンバーに向けて「今回は全体の約3分の1が開通しましたが、学生の皆さんにはぜひ最後までやり遂げてもらいたいと願っています。そのために地区としても今後とも協力していきたい」と激励の言葉が寄せられました。続いてプロジェクトアドバイザーの杉本洋文教授(工学部建築学科)が、「震災から6年目を迎えて地区の高台移転は実施されましたが、いまなお津波で家屋が流された土地の活用など課題も残っています。復興は地域の皆さんの力があってこそ成し遂げられますが、われわれもこれまで同様、一緒になって考え続けていきます」と語りました。さらに、プロジェクトリーダーの武田宗一郎さん(工学部建築学科2年次生)も、「住民の皆さんのお力で結の道とつながる素晴らしい橋も完成しました。今後も道の全面開通に向けて活動を続けて行きます」と力強く誓いました。

林さんと杉本教授がお酒と塩で橋と道を清め、武田さんも加わってテープカットを行った後、参加者と学生たちが実際に結の道をウォーキングして、歩き心地を確かめました。住民の皆さんからは、「学生さんたちが3年前から構想をたててきた計画が実現して、活動が進歩している様子を実感しました。ほぼ毎月この地区に来てくれて、若者のパワーで活気が出ています」「ウッドチップが敷かれた道ははじめて歩きましたが、柔らかくて歩きやすい。いざというときにも役立つ道ができてうれしい」といった声が聞かれました。

また、終了後には泊区公民館に会場を移し、本プロジェクトと同地区で協力して活動している芝浦工業大学の学生が考案した、地域の特産物を生かした料理で親睦を深める「食まつり」も開催。

本プロジェクトは柿や栗、サツマイモ、鹿肉を具に使ったおこわを竹の皮で巻いた『泊の幸(さち)まき』を披露した本プロジェクトに対し、芝浦工業大生はホタテやカキといった海の幸を惜しみなく使った『起喜来チャウダー』を考案。住民の皆さんからは、「どちらも地区の新名物になる」と好評を博しました。メニューづくりに携わったメンバーの大谷海里さん(工学部光・画像工学科1年次生)は、「結の道を散策しながら楽しんでいただけるように、持ち運びしやすい、ちまきにしました。満足いく味に仕上がった自信作。ぜひ地域のPRに役立ててもらいたい」と話しました。

イベントを終えて、今回の企画責任者を務めた澤田侑大さん(工学部建築学科2年次生)は、「結の道の計画は、このプロジェクトの初代リーダーである下田奈祐さん(大学院工学研究科2013年度修了)が構想を立てたものですが、これまでなかなか実現できませんでした。地域を結び付ける魅力ある計画なのに、このままでは機を逃すと考え今年8月から集中的に作業したことで第一期の完成まで至り、一つの節目を迎えることができたと感じています。当初の予定通り3年間で全面的に開通できるよう、今後も活動を続けて行きます」と語っています。

『結の道』の整備についてはこちら

http://bit.ly/2eKsAUZ

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