平塚市公民館主事会議で「新たな公民館・公共施設のあり方」について報告しました

湘南キャンパスの学生たちが、2月15日に平塚市中央公民館で開かれた平塚市公民館主事会議で、「新たな公民館・公共施設のあり方」について報告しました。教養学部が秋セメスターに開講しているSOHUMプログラム「湘南地域ブランド創造プロジェクト」の授業「人間学2」と、チャレンジセンターの開講科目「プロジェクト実践B」を履修している学生が合同で取り組んできたプロジェクトで、神奈川県平塚市に26館ある公民館の問題点を探り、その解決に向けた提言を行う内容でした。約30名の履修学生は、10月24日に平塚市中央公民館の館長から現状を聞き、11月7日には平塚市立金目公民館を見学。フィールドワークの成果をもとに5つのグループに分かれて提言をまとめ、1月23日に湘南キャンパスで行った発表会を経て今回の報告に臨みました。

当日は、平塚市内の公民館主事ら約30名に代表学生4名がそれぞれ用意した資料を使って説明しました。高橋直也さん(政治経済学部政治学科3年次生)は、公民館のフリースペース化と体験教室について発表し、「現在、公民館は団体登録をしないと使えないので、1日限りの個人登録を可能にし、勉強や読書、友人との会話を楽しめる場にしたらいいと思います。さらに、茶道教室や映画上映、学生によるダンス教室など、既存の施設を使った企画を行えば利用者も増えるのではないでしょうか。公民館に来てもらうきっかけをつくり、存在を知ってもらうことが大切です」と語りました。島田郁弥さん(教養学部人間環境学科社会環境課程3年次生)と上野洋輔さん(同)は、共働き率の増加や授業数の変化といった小学生が置かれている現状を紹介した上で、教職課程を履修している大学生によるアフタースクールを提案。「平塚市には28校の小学校に対し26館の公民館があります。そこでアフタースクールを開くことで、小学生にとっては学校の近くで授業の理解を深めることができ、学習塾に行けない子どもでも参加できるといったメリットがあります。学生は実践的な経験を積むことができ、公民館は空き教室の有効利用や施設に親しみを持ってもらえるという利点がある」と話しました。今井良さん(文学部アジア文明学科2年次生)は総務省が調査したSNSの利用率をもとに、「公民館だよりなどの紙媒体は自治会会員のみの限られた情報発信になってしまいますが、フェイスブックは世代に関係なく利用している人が多く、情報を拡散しやすい。公民館ごとの特色を生かし、価値のあるコンテンツを発信していければ注目も集まるのでは」と提案しました。

発表を聞いた主事の方からは、「公民館のフリースペース化や個人利用カードの発行、SNSの活用など参考になりました」「地域住民が子ども向けに夏休みの学習会を開いていますが、教える側の人数が足らない、教科書のレベルが上がり教えるのが難しいのが現状です。学生によるアフタースクールが可能ならば、ぜひ実現したい」といった意見が聞かれました。

1月23日に湘南キャンパスで行った発表会では、これらの内容に加えて、スポーツ大会や交流会など若者限定イベントの開催、公民館をカフェ化することで個人に開放するといった案や、公民館利用者の一定化や若い世代の利用率が低い点に着目し、企画の一部を”出張公民館”として学校や集会所などで行うことで、普段公民館を利用しない人にも周知できるという案が挙がりました。

5グループの企画書を受け取った平塚市の吉野雅裕教育長からは、「既成概念にとらわれず、一生懸命調べた成果が見える素晴らしい発表でした。主事の皆さんには、若くてみずみずしい意見をぜひ公民館運営に生かしていただきたい」といった講評がありました。

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