3.11生活復興支援プロジェクトが石巻市・小指観音堂に設置したウッドデッキと花壇の完成式を開催しました

東海大学チャレンジセンター・3.11生活復興支援プロジェクトが8月20日、宮城県石巻市北上町十三浜小指地区の小指観音堂で、新たに設置したウッドデッキと花壇の完成式を開催しました。東日本大震災で大きな被害を受けた相川・小指地区では現在、2018年の高台完全移転に向けた住宅の転居が進んでおり、住民同士のつながりの希薄化が懸念されています。これまでも同地区で復興支援活動に取り組んできた本プロジェクトでは、2016年に震災以降の地区のコミュニティ再生の拠点づくりを目指して、「どんぐりハウス(現、小指観音堂)」を建設しました。

プロジェクトでは、この観音堂の基礎が高くスムーズに出入りしにくいことや、使用目的が明確でないなどの理由から、住民の方が集う機会が少ない現状を打開しようと、入り口の足場を改善するウッドデッキの設置を企画。8月8日からメンバー計19名が現地に入り、ウッドデッキの設置工事と花壇、看板などの製作に取り組んできました。

完成式にはプロジェクトメンバーをはじめ、プロジェクトアドバイザーを務める工学部建築学科の杉本洋文教授ら教職員が出席。近隣住民の皆さんも多数参加し、総勢40名で完成を祝いました。式ではプロジェクトリーダーの杉山愛さん(政治経済学部経営学科2年次生)が、「この小指観音堂を拠点に、今後も住民の皆さんとともに活動を続けていきたい」とあいさつ。杉本教授は、「震災から6年半が経ちましたが、まだまだ十分な復興とは言えません。施設が充実したことを契機にさらにさまざまな活動を展開してもらいたい」と期待を寄せました。また、小指地区に本社があり、どんぐりハウス建設当時からプロジェクトと交流を重ねてきた有限会社ササキ設計代表取締役の佐々木文彦さんが、地域住民を代表してあいさつし、「学生の皆さんには『観音堂の整備が終わったから活動も終わり』ではなく、小指を第二、第三のふるさとと感じてもらい、絆の生まれた場所、帰ってこられる場所として覚えていてもらいたい」と学生たちに向けて語りかけました。

さらに、プロジェクトメンバーによる手彫りの看板を掲げるとともに、住民の皆さんと地元の食材を使用したバーベキューも実施。メンバーたちは、駆け付けた地域の子どもたちと駆け回ったり、住民の皆さんと今後の交流について意見を交換したりと充実した時間を過ごしました。本プロジェクト相川・小指地区リーダーの渡邉茉奈さん(情報理工学部情報科学科2年次生)は、「今年度は観音堂を完全な姿にしようと活動してきました。チーム全体で取り組めた結果、満足いくデッキができたと思います。今日の完成式は一区切りではありますが、今後も完成した施設を住民の方たちが集まれる場所、楽しめる場所として活用してもらえるようなイベントを考えています」と今後の展望を語っています。

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