付属甲府高校「東海大学特別講座:SDGsから考える持続可能な社会づくり」を実施しました

湘南校舎で、昨年6月3日から1月30日にかけて4回にわたり、付属甲府高校「東海大学特別講座:SDGsから考える持続可能な社会づくり」を実施しました。甲府高では昨年度から特進コースBの生徒を対象に、東海大学の教員による授業を通して幅広い視野や考え方を培ってもらおうと特別講座を開講。今年度は2年生を対象に12月4日から8日まで実施された沖縄県・西表島の東海大学沖縄地域研究センターや石垣島での研修旅行に向けた事前授業と成果報告会が行われました。

6月3日の初回の授業では、教養学部の藤野裕弘教授と日比慶久講師が西表島と石垣島の自然環境等について講義。スチューデントアチーブメントセンター(SAC)の二ノ宮リムさち准教授が進行し、SDGsの課題解決に取り組むSACチャレンジプロジェクトの「Global Innovation Project」(GIP)の学生も加わり、「30年後にあってほしいもの・こと」「なくなっていてほしいもの・こと」についてグループワークを行いました。その後、自分たちの住む町や西表島、石垣島の抱える課題などを話し合い、11月10日の授業で発表。「観光と自然破壊・ごみ」「エネルギー」「交通・道路」「少子高齢化」といったキーワードからグループのテーマを決めました。17日は二ノ宮リム准教授がSDGsや持続可能性の基本理念を解説し、「グループで挙げたテーマを『地球の限界』『多様な人の共生』『人権を守る』というレンズで見て、疑問に思うことを考えましょう」と呼びかけました。生徒たちは二ノ宮リム准教授と日比講師のアドバイスを受けながら付箋に質問を書き出し、類似した内容を整理。「沖縄での食品ロスの現状は?」「観光地ならではの環境問題は?」「バリアフリーへの対策は?」などの質問をまとめて12月の研修旅行に出かけました。

1月30日の報告会では、7グループが研修旅行の成果を発表。国の特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコのロードキル被害の状況や対策に着目したグループは、山梨県北杜市で導入されている道路の上に動物の通り道を設ける「アニマルパスウェイ」の建設を提案。環境問題をテーマにしたグループは、二酸化炭素排出量削減の手法の一つとして石垣市が取り組む「石垣ブルーカーボン・オフセット」を参考に、甲府市で木の苗を育てて全国に販売する「山梨グリーンカーボンオフセット制度」を考案しました。ほかにも、コロナ禍で出荷量の減った牛肉の消費と伝統文化の継承につなげようと「沖縄三線ライブ~美味しい石垣牛を食べ尽くそう!~」と題したイベントを企画したり、オーバーツーリズム対策をまとめたCMを制作したりと多彩な内容を報告。二ノ宮リム准教授、日比講師、国際学部の小貫大輔教授、スチューデントアチーブメントセンターの高梨宏子講師のほか、GIPの学生も加わり、活発に議論しました。

生徒たちは、「昨年度から東海大で学んできたプレゼン方法などを生かして発表できました」「授業を通して視野が広がり、日々の生活でもさまざまな課題や問題に目が向くようになりました。来年度の授業も楽しみ」と語っていました。