ソーラーカーチームがWGCで記念走行に臨みました

スチューデントアチーブメントセンターのチャレンジプロジェクト「東海大学ソーラーカーチーム」が8月8日に、秋田県・大潟村ソーラースポーツラインで開催された「ワールド・グリーン・チャレンジ」(WGC)で記念走行に臨みました。WGCは、全国から高校、大学、社会人らによるチームが集うソーラーカー大会で、今回30回目の開催を迎えました。チームは第1回大会から断続的に出場しており、2021、22年度の総合優勝をはじめ、過去には電気自動車、燃料電池車の部門でも頂点に立っています。今年度は10月にオーストラリアで開催される世界最大級のソーラーカー大会「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(BWSC)参戦に向けた新型マシン開発のため参戦を見送る予定でしたが、歴代チャンピオンとして記念の大会に花を添えるため1、2年次生を中心にした8名のプロジェクトメンバーと佐川耕平総監督(工学部講師)、木村英樹監督(同教授)が現地入りしました。

当日は、2019年にBWSCで準優勝したマシン「2019年型Tokai Challenger」で25kmのコースを14周しました。今回の走行に向けて準備の中心を担い、当日はドライバーも務めた亀山裕一郎さん(工学部4年次生)は、「スタート前に電気系統のトラブルに見舞われましたが、経験の少ない下級生も奮闘し、無事に走行することができてメンバーにとってかけがえのない経験を積めました。また、関係者の皆さんと交流を深めることができて充実した時間になりました」と笑顔で振り返りました。佐川講師は、「私たちはBWSCをはじめとした国際大会での好成績を目指すだけでなく、国内のソーラーカー開発を牽引する立場にいると自負しています。節目を迎えた本大会の関係者の皆さんは、共に歴史を築き上げてきた同士のような存在で、記念走行の場をいただき心から感謝しています」と話しました。また、「1、2年次生が中心となって準備を進めてきたこともあり、走行中には経験不足な面も見られました。WBSCに向けて、事前準備の重要性に気づくとともに、レース中に自分の役割を見極める判断力などに磨きをかけてほしい」と期待を語りました。

同日には、ホテルサンルーラル大潟でセミナー「Mg‐Day in Ogata Ⅲ」(主催:マグネシウム循環社会推進協議会)が開かれ、木村教授が公開ディスカッションの座長を務めました。「地産地消・離島仕様のEVの開発」をテーマに、マグネシウムを部材に応用した自動車の軽量化などについて講演し、デンマーク出身の冒険家でWorld Solar Challengeの創設者でもあるハンス・ソルストラップ氏をはじめとした国内外の有識者と意見交換しました。夜には、同会場でWGCの30周年記念集会も開かれ、木村教授が登壇。チームの実績などを紹介しながら、「大潟村で蒔いた人材の種は、高校から大学、大学から企業へと受け継がれ、CO2を削減するエンジニアの輩出として実を結んでいます。このような成長の場をつくっていただいたことに心から感謝します」とあいさつしました。