チャレンジプロジェクト「Beijo Me Liga」が4年ぶりにマルチカルチャーキャンプを開催しました

スチューデントアチーブメントセンターのチャレンジプロジェクト「Beijo Me Liga」が8月23日から25日まで、湘南キャンパスでマルチカルチャーキャンプを開催しました。「Beijo Me Liga」は、日本で暮らす外国籍の子どもたちを対象に、支援活動や異文化交流を通して文化や言語にとらわれることなくお互いの文化に触れ合える場をつくることを目標に活動しており、現在は本キャンパスで学ぶ学生を中心に131名が在籍。このキャンプは、多様な背景のある子どもたちが学生と触れ合うことで、自分の将来を前向きに考えられるようになってほしいとの目的で開催しているもので、通算で9回目となる今回はコロナ禍での中断から4年ぶりの再開となりました。

学生たちは、コロナ禍の間もオンラインで各外国学校の子どもたちと風鈴づくりやスクラッチアートなどのイベント、各学校とブラジルに住んでいる若者との交流を企画するなど、少人数で学校訪問を重ねてきました。今年度は全員が中断前のマルチカルチャーキャンプについて知らない中でも、過去の開催記録にならうだけにとどまらず現在のメンバーらしさを発揮してどのような形にするか、子どもたちが求めていることを踏まえたアクティビティなども検討して準備を進めてきました。

今回のキャンプにはメンバー50名が参加。ブラジル学校オプソン(茨城)、エスパシン(岐阜)、ブラジル学校ティー・エス学園(埼玉)、ブラジル学校コレージオピタゴラス(群馬)の児童・生徒ら50名を迎え、3日間にわたって交流しました。初日は開会にあたり、緊張をほぐしてコミュニケーションを取りやすい雰囲気をつくる「アイスブレイク」を実施し、自己紹介や簡単なゲームなどを楽しみました。その後は高間原第二グラウンドで、グループに分かれて「Big Art」に挑戦。養生シートを敷いた上で水性絵の具を用いて白い三角形のパネルに手形を押したり名前を書いたり、花や太陽など思い思いの絵を描きました。参加者は絵の具で手形を付け合い、シャボン玉や水鉄砲遊びもしながらグラウンドを駆け回り、4年ぶりのイベントに大はしゃぎ。夕食時には学校ごとに歌や踊りを披露するブラジル式の夜会「サラウ」で親睦を深めました。

2日目は、各学校からアイデアを出し合い、学校や年齢をこえたチーム編成で楽しむスポーツ大会を実施。その後は前日に皆で描いた三角形のパネルを張り合わせてプラネタリウム作りに挑みました。夜には13号館の中庭を会場に、学生の先導で自作のランタンを手にしてところどころに準備されたクイズを解きながらナイトウォークを楽しみ、昼間完成させたプラネタリウムの中に入り、内部に投影された南半球の星空を観察。最終日は、“生命のダンス”を意味するブラジルの「ビオダンサ」の日本における第一人者・内田佳子さんらを講師に招き、音楽に合わせてさまざまなダンスを楽しんでさらに親睦を深めました。

キャンプに数回参加しているという茨城のウエダ・カウエさんは、「しばらく会えなかった友だちと話せたし、大学生が先輩と後輩の垣根をこえて自分たちと一緒に楽しんでくれてとても楽しかったです」と笑顔。岐阜から参加したタレス・サト・ピメンタさんは、「大学生と話す中で、新たに難しい日本語も知ることができました。いろいろな人と会い、気付かなかった新しい考え方に触れることができてよかったです」、群馬から参加したシバ・ライアニさんは、「これまでコロナ禍で大切なイベントができなかったけれど、今回は参加できて友だちがたくさんできたし、日本語が上達したように感じています。また参加したい」と話しました。

プロジェクトリーダーの山崎綾音さん(教養学部国際学科3年次生)は、「総勢100人を超える人たちが安心してキャンプを楽しめるよう、裏方も含めて奮闘しました。メンバー全員で子どもたちのために成功を思って準備から当日まで走りきり、その甲斐があって子どもたちも心の底から楽しんでくれたように思います。私たちと外国学校の子どもたちとの仲、そして同世代で同じようなルーツを持つ子どもたち同士の仲も深まったのではないでしょうか」と振り返りました。さらに後輩のメンバーたちに向けて、「この成果に満足することなく、これからさらに上を目指して進化してほしい。キャンプだけでなく子どもたちや外国学校と関わることで、今日の社会にどのような問題があるのか、私たちには何ができるのかしっかり考えられる団体であってほしいと思います」とエールを送りました。