博物館実習で西表島を訪れて

沖縄地域研究センターでは、様々な学生が訪れ活動しています。今回は、当センターを訪れ博物館実習のカリキュラムの一部を行った学生の声を一部抜粋して紹介します。

・実際にフィールドに出て資料を集めたことが印象に残りました。フィールドの環境を下調べし、いつ、どこで、どのようにすれば必要な資料を収集することができるのか考えながら活動することはとても大変であると同時に、欲しい資料が集まったときの達成感は忘れられない思い出になりました。また、自然豊かな西表島で実習ができたことは貴重な経験になりました。まだまだ見たかった生物がたくさんいるので、個人的にまた西表島に行けたら良いなと思います。西表島コースを選んで本当に良かったです。

・西表島の実習施設周りは、浦内川や星砂の浜、マングローブ林にも歩いて行くことができ、そこに生息する様々な生物にも感動しました。特に、リュウキュウコノハズクや様々な貝殻を利用するオカヤドカリの仲間、サキシマハブやヤエヤマオオコウモリなどが庭で見られる環境には驚きました。


・展示論を始めとする授業で得た知識や工夫を活かしてパネル制作に取り組むことができ、インプットからアウトプット、さらには応用にまで繋げることができたと思います。今回の実習は私の期待を遥かに超えていて、一生記憶に残るほどの貴重な経験を沢山することができました。西表島での博物館実習、唯一無二の思い出を作ることができて、最高でした!

・西表島は生物多様性が高い島ということで、実習で訪れた場所でも多くの生物を見ることができました。実習期間中は、本やインターネットでしか見たことのない場所や生物をたくさん見ることができ、毎日が感動の日々でした。また、このような恵まれた場所や環境で博物館の実習活動に携われたことには、非常に光栄に思っております。


・西表島という気候や物資の量が異なるフィールドで5日間滞在したことで、島で見られる生物や環境、生活様式に違いを感じ、毎日何かしらの発見がある充実した実習を送ることができました。マングローブについては、授業で生態を学んでいたため、本当にそうやって育つんだ、と学んだことの復習になりました。また、文章のみでは理解が深められなかったマングローブの種類についても、展示物を制作するうちに木が特徴によって異なって見える様になりました。フィールド調査では、海や川での調査時に、天候はもちろん、潮汐の確認が重要だということを、身をもって知る機会となりました。特に、沖縄では遠浅のイノーが発達しているため、潮が引けば海岸から離れた場所まで歩いて行くことが可能となるため、生き物を調査する際には、下調べが重要となることがわかりました。

・フィールド調査でパネル展示に使いたい生物や植物を撮影する際、様々な角度から撮影することが大切だと学びました。全体写真をきれいに撮るだけではなく前や後ろから、時には一部分を拡大したり光の当たり具合を意識したりして複数枚撮影しました。フィールド調査で集めた素材から展示パネル制作をするときにどの素材を使うか、どのような配置にするかなど様々なことに悩みました。

・フィールドに出て、資料を集めて展示を制作する学芸員の仕事を実際に体験することができ勉強になりました。特に、フィールド調査で得た情報が多く、展示を作る際にどの情報を扱うか、どのように伝えるかという所が自分にとって難しく、印象に残りました。センター職員の方や先生方、共に展示を制作した学生たちからアドバイスをもらいつつ、展示を完成させた時は非常に達成感がありました。フィールドで実際に資料を得たり、他の学生の方と協力しながら生活したり、展示をつくることももちろん楽しいですが、博物館で以前働いていた職員の方からアドバイスや改善点をいただくことができ、自身が成長できる場になりました。

・私にとって大きな経験になりました。これまでに自分で積極的にこのようにアクティブな体験をしたり、グループで制作を行ったりする経験は、自分の勇気や自信がなく、できていませんでした。西表の大自然を肌で感じながら、どのようなことを伝えていきたいか、どのようなことに興味を持ってもらえるかを考えるのはとても楽しかったです。また、散歩をするだけで、多くの生物に出会えることは西表島の大きな特徴だと思います。ぜひまた西表島に訪問したいと思う実習でした。