東京都北区で「彫刻メンテナンス&彫刻制作ワークショップ~平和祈念像とともに、平和への想いをかたちに~」に協力しました

資格教育センターの篠原聰准教授と学芸員を目指す学生たちが8月9日に、東京都北区の複合文化施設「北とぴあ」と文化芸術活動拠点「ココキタ」で開催された「彫刻メンテナンス&彫刻制作ワークショップ~平和祈念像とともに、平和への想いをかたちに~」(主催:公益財団法人北区文化振興財団)の運営に協力しました。このイベントは2020年度にスタートし、同区内の著名な屋外彫刻をめぐって実際に作品に触りながら、視覚だけでなく触覚を通して彫刻を鑑賞することを目的に毎年開催されています。当日は小学生から大人まで11名が参加しました。

今年は終戦80周年を迎えることから、長崎平和祈念式典の日に合わせ、「北とぴあ」正面玄関前に設置されている「平和祈念像」(北村西望作)を題材にしたワークショップが企画されました。20年度に実施した第1回以来となる平和祈念像のメンテナンスには、当時講師を務めた高橋裕二氏(ブロンズスタジオ)と高木謙造氏(多摩美術大学彫刻学科研究室助手)が参加し、中性洗剤やブラシを使って洗浄。作業後には、原爆犠牲者の冥福を祈り、参加者全員で黙とうしました。続いてココキタに場所を移し、平和祈念像と同じ「石膏直付け法」による彫刻制作のワークショップを行い、「平和」をテーマに参加者一人ひとりが作品を制作しました。

運営サポートに取り組んだ鳥飼佳那さん(文化社会学部ヨーロッパ・アメリカ学科4年次生)は、「参加者の皆さんは初対面にもかかわらず、“彫刻をきれいにしよう”という共通の目標を成し遂げるために自然と協力し合う空気が生まれ、一体感を感じることができました。また、ワークショップでは作品に込めた平和への思いや背景を聞くことができ、私自身平和について考えるきっかけになりました」と振り返ります。篠原准教授は、「小学生が熱心にブラシで像をこすったり、年配の方が作業道具についてたくさん質問してくれたりと、多世代の参加者がそれぞれ主体的に参加してくれたのが印象的でした。彫刻メンテナンスの活動を始めて10年以上が経ちますが、今回の北区をはじめ全国の自治体や団体から度々メンテナンスやワークショップの依頼をいただいています。大学の使命である地域貢献として、本活動が定着してきたことをうれしく思います」と語っています。