本学URA教員の尾内敏彦教授(総合科学技術研究所)がこのほど、科学技術振興機構(JST)による大学発新産業創出基金事業「早暁プログラム第2期ステージ1」に採択されました。同プログラムは大学等発スタートアップ創出に向け、研究成果や技術を社会実装へと発展させる“事業化人材”が起業や投資の経験を有するメンターの助言を受けながら、自らが描いた事業アイデアを形にしていく取り組みです。大学や企業、個人が持つ技術シーズを探索し、研究者とチームを組んでビジネスモデルのブラッシュアップや研究開発を進め、将来的には社会実装につながる大型の資金獲得を目指します。

尾内教授は情報通信やテラヘルツ波の研究を専門とし、国立の研究所や大手企業で研究開発や知的財産に関する業務に従事。2023年度に、研究活動活性化を目指した環境整備や大学の研究開発マネジメント強化を図るURA教員として本学に着任しました。早暁プログラムへの応募について、「本学は23年度から、起業を目指す教員や学生および大学発スタートアップ体制強化を支援するスタートアップ支援首都圏型プラットフォーム「Greater Tokyo Innovation Ecosystem (GTIE)」に参画していますが、早暁プログラムは起業を支援する人材の育成を目的としています。私は東海大学に着任する以前よりアカデミア発スタートアップの支援に取り組み本学のGTIE採択にもつなげてきましたが、有識者の知見を取り入れて自分自身が成長することで、今まで以上にGTIE連携や本学の研究成果の事業化に貢献できると考えました。研究者を支援する立場として学ぶプログラムではありますが、長年取り組んでいるテラヘルツ分野の研究を製品化につなげるという目標もあるため、今回の学びを自ら事業化に結びつける気持ちで取り組みたいと考えています」と語っています。
今後は約半年をかけて、半導体や宇宙開発などさまざまな企業の創業者らに事業化のスキルを学び、来年6月から技術シーズを有する研究者と連携して起業に向けたGAPファンド獲得を目指します。尾内教授は、「連携する研究者は東海大学に限りませんが、プログラムを通じて得られる経験や知見は、将来的に本学の研究・教育活動に生かしたいと考えています」とコメント。また、「近年、国が起業を推進していることから、大学や高校などの教育機関で社会課題の発見と解決力を養うアントレプレナーシップ教育が推奨されています。本学でも経営学部を中心に関連授業を開講していますが、今後は技術者を目指す理工系の学生も含めて起業のスキルを身につける機会を提供していきたいと考えています。現在、私が担当する共同ゼミナールの履修者の中には起業を検討している学生もいるため、大学としてどのようなサポートが必要なのかを検討し、将来的には新たなカリキュラムの開発にもつなげていきたい」と話しています。
「大学発新産業創出基金事業 早暁プログラム 第2期ステージ1 新規採択課題の決定について」https://www.jst.go.jp/pr/info/info1812/index.html
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