湘南キャンパスでは9月6日から9日まで、「日本機械学会2026年度次大会」が開催されました。本大会は、機械工学が切り拓く未来社会について議論するとともに、企業の研究者・技術者と若手研究員との交流や産学連携を促進することが目的に開かれています。今回初めて湘南キャンパスを会場に開催され、総合科学技術研究所の岩森暁所長(工学部機械工学科)が大会委員長、同学科の森下達哉教授が実行委員長を務め、工学部と大学院工学研究科の学生、大学院生や教職員らが運営をサポート。「さきがけの知がつなぐ、機械工学と未来社会―湘南から世界へ―」をキャッチフレーズに、幅広い分野をテーマとした研究発表や特別講演、企画セッション、交流企画などが行われました。
7日の特別講演では、木村英樹学長(工学部機械システム工学科教授)が「東海大学ソーラービークルの開発とその性能」と題して登壇。1991年に総合科学技術研究所のプロジェクトとして始まったソーラーカーチーム(現・ToCoチャレ「東海大学ソーラーカーチーム」)の取り組みを紹介しました。オーストラリア大陸約3000kmを縦断する国際大会「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(BWSC)で2009、11年に2大会連続優勝を果たした歴代の記録を紹介。アラブ首長国連邦やサウジアラビアとの共同開発の成果や、2025年度のBWSCに向けて開発した「2025年型Tokai Challenger」の構造などを解説しました。また、本学が取り組んできたソーラー無人飛行機の開発や、2023年度に設置した「東海大学ドローンアカデミー」も紹介し、質疑応答では多数の質問が寄せられました。人材育成の方法を問われた木村学長は、「PBL(課題解決型学習)が効果的だと考えています。一人では解決できない課題を学生に与え、チームで取り組むことで新たな学びや交流が生まれます」と語りました。

8日には、本学海洋学部卒業生で同学部客員教授、気象予報士の依田司氏と、株式会社トヨタガズーレーシングディベロップメントの貴家伸尋氏、本学工学部卒業生で同社の枝田勉氏が特別講義に登壇しました。依田氏は、「加速する気候変動 異常気象から命を守る防災とは」をテーマに講演。近年の気候変動や異常気象の現状をデータとともに解説し、「日本では過去30年の記録にもない災害級の大雨や猛暑日など異常気象が増えています。フランスでも全域で40度を突破するなど、地球温暖化の影響により世界各地で想定外の事象が起きているので、今後も起こる異常気象や災害に備えて準備する必要があります」と話しました。災害時に「自分の家は大丈夫」と考えてしまう正常性バイアスや、「近隣住民が避難していないから自分も避難しない」と周囲に行動を合わせる同調性バイアスも紹介。「居住地域や会社、学校などで避難情報が発令された際には、ひとまず避難することが重要です。命を守る行動を取ってください」と呼びかけました。続いて貴家氏と枝田氏が、「サステナブルなモータースポーツを目指して」をテーマに講演。カーボンニュートラル燃料や天然素材の活用をはじめ、モータースポーツの持続可能性を高める取り組みについて説明しました。
期間中には多様な機械工学分野の研究発表や交流企画も展開され、研究者や技術者、学生らが議論を深めました。




