山田学長が第16回IAU年次総会2022で基調講演を務めました

アイルランド・ダブリンで10月25日から28日まで開催された「IAU 16th General Conference2022(第16回IAU年次総会2022)」で、本学の山田清志学長が基調講演を務めました。IAU(International Association of University=国際大学協会)は、UNESCO(国際連合教育科学文化機関)の下に設置されたNGO(非政府組織)で、高等教育機関が協力して世界の教育の発展を実現することを目的として、1950年に設置された世界で最も多くの大学が加盟する国際コンソーシアムです。2019年12月現在で約120カ国から650を超える機関が加盟。本学は2019年11月に加盟しています。

今回の総会は、「Relevance and Value of Universities to Future Society」を全体テーマに実施され、新型コロナウイルス感染症拡大への対応を続ける高等教育セクターのメンバーと、持続可能かつ包括的な社会の実現に向けた高等教育の役割について学び、議論する場となりました。山田学長は、総会初日の初めに開かれた「The Transformative Power of Higher Education」セッションに登壇。「University Education by Cross-Border Excursion」と題して講演しました。まず、本学の創立者・松前重義博士による教育を基に国を復興させたデンマークを模範とした建学の歴史に触れるとともに、今年8月に発行された本学同窓会報『Compass』誌上で行った東京大学の吉見俊哉教授との対談「国境を超えてゆく知のコミュニティとしての大学教育をめぐって」※を紹介。「この中で、大学は世界平和への思いを共有する人材や、地球市民をどのようにして育てられるかを語り合いました」と振り返りながら、大学が世界平和に貢献する人材を育成する義務があり、本学ではそのために日本各地に広がるキャンパスやハワイ東海インターナショナルカレッジ、海洋調査研修船「望星丸」を生かした「回遊型教育」を目指す姿勢を強調。「学生のモビリティを高めるとともに、多様な人々との議論を通じてお互いを知ることが重要」と述べました。

最後に、「吉見先生との対談にあるように、大学は原点に立ち返り“国境を越えていくこと”が大切です。そのために、今後ますますリベラルアーツ教育が重要になります。学生が海外に出て世界中の学生と出会ったときに、特定の分野に限らず幅広い話題について話し合わなくてはなりません。異文化理解を深めるためには、専門分野の教育だけでは不十分。世界中の人々の意見を聞き、自分の意見を述べることが問題の解決につながります。高等教育の最も重要な役割の一つは、地球市民として世界平和に貢献する人々を育成することです」と語りました。

※山田学長と東京大学・吉見教授の対談は下記からご覧いただけます。
http://yama-kiyo.jp/yama-kiyo/wp-content/uploads/2022/08/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%90%8C%E7%AA%93%E4%BC%9A%E5%A0%B1Compass-Vol.3_P04_P07.pdf