東海大学では10月1日付で、落語家の春風亭昇太氏を客員教授に委嘱。就任に伴う委嘱式を5日に高輪キャンパスで実施しました。昇太氏は、東海大学第一高校(現・付属静岡翔洋高校)を卒業後、1978年に湘南キャンパスの文学部に入学しました。在学中は落語研究部の一員として、数々の学生タイトルを受賞した後、春風亭柳昇師匠に弟子入り。NHK新人演芸コンクール優秀賞、第55回文化庁芸術祭(演芸部門)大賞などを受賞してきたほか、2016年からは日本テレビ「笑点」の6代目司会者を務め、公益社団法人落語芸術協会の会長でもあります。
昇太氏は長年にわたって落語家として活躍しているほか、中世城郭に関する著書を出版するなど日本文化に造詣が深いことでも知られています。さらに出身地である静岡市の観光親善大使を務め、地域振興においても著作、講演等でその成果を発表されています。本学海洋学部では、海洋文明学科において日本固有の文化などを研究、教育しており、また、2022年4月に新設する人文学部では学部学科の教育に「クリエイティブ・カルチャー」分野を設け、教育研究の柱の一つとして位置付けています。現在の海洋学部海洋文明学科から人文学部への円滑な移行、教育効果を踏まえ、同氏の実績は客員教授として十分に相応しいものであり、これまでの実績を基に大学へ貢献していただくことを期待して同氏の出身地の静岡市にキャンパスがある本学海洋学部客員教授への就任を要請しました。
委嘱式では、まず山田清志学長が昇太氏に委嘱状を手渡しました。あいさつに立った山田学長は、「本学では来年度、清水キャンパスに人文学部を設立いたしますが、この学部では日本の伝統芸能である話芸も扱うことも考えており、この分野を教えてくださる先生として本学出身の昇太氏に客員教授として授業をお願いしたいと考えています」と期待を語りました。続いて登壇した昇太氏は、「客員教授就任のお話をいただき、若き日に東海大で学んだものとして大変光栄であり、責任も感じています。落語家になって約40年経ちました。落語という日本の古典芸能は演劇の中の一部であると考えており、世界でも珍しいスタイルの古典芸能です。この中で培ってきたものを学生の皆さんにお話しできればいいなと思っています。私自身は学生時代を湘南キャンパスで送りましたが、客員教授として同じ東海大のキャンパスにうかがえるということを非常に楽しみにしています」と意気込みを語りました。
なお、11月22日(月)には、本学清水キャンパスで客員教授就任記念「特別公開授業」を行う予定です。