国際学術セミナー「日本学・日本語研究の拡がりと連携」を開催しました

国際教育センターでは6月27、28日の両日湘南キャンパスで、国際学術セミナー「日本学・日本語研究の拡がりと連携」を開催しました。本学と学術交流協定を結んでいる韓国・漢陽大学(BK21plus日本研究特性化チーム、日本学国際比較研究所)との共催で、研究者の交流や若手研究者の育成を目的としています。アメリカ・ハワイ大学マノア校の近藤ブラウン妃美教授による基調講演や、タイ・モンクット王ラカバン工科大学のニダー・ラープスィサワット助教授の招待発表のほか、本学、漢陽大学、東京大学、サウジアラビアのキング・サウード大学の教員や大学院生が、日本語学や日本語教育について計14件の研究成果を発表。本学の教員や大学院生など約50名が参加しました。

27日の開会式ではまず、本センターの片山恵一所長(工学部教授)が参加者への謝意を述べるとともに、「多様な背景を持つ研究者が一堂に会し、相互理解を深めることで研究をますます発展させていただきたい」とあいさつ。また、漢陽大学の鄭夏美教授が、「大学院生に、このような発表の場をいただけて大変光栄です。今後も緊密な連携や友好的な協力関係が、継続されることを願ってやみません」と語りました。続いて近藤教授が、「米国における日本語維持と日本語教員」をテーマに講演し、アメリカでの「日本語母語話者」と「日本語学習者」に関する多様な統計と傾向について解説。「アメリカのような英語最優先国で日本語を維持していくためには、『日本語母語話者が絶え間なくいること』『安定した日本語教育の機会が与えられていること』が必要条件である」と述べるとともに、英語母語話者にとって最も取得が難しい言語の1つである日本語の学習成果を高めていくには、カリキュラム開発や教員研修、測定アセスメントなど、さまざまな取り組みを進める必要があると強調しました。

また28日には、本学大学院文学研究科日本文学専攻2年次生のヤズィード・ナーセルさんが「サウジアラビア人と日本人の再依頼の談話 ―親友の談話に注目して―」をテーマに、金鑫さんが「LINE接触場面における会話終結部の研究 ―接触場面と中国語母語場面の前終結部に焦点を当てて―」をテーマに、関律子さんが「『CLD児童生徒における母語読書』研究のための一考察 ―JFL学習者の母語読書体験と日本語力―」をテーマにそれぞれ発表しました。運営を担当した本センターの宮城幸枝教授は、「大学院生にとって、このような国際的な場で発表する機会は大変貴重なものです。こうしたチャンスを積極的に活用し、各国の発表者と交流しながら多くを学び、互いに成長してほしいと思います」と話しました。また、参加した大学院生からは、「海外の日本語教育の現状を知り、多様な研究に触れることができて大いに刺激を受けました。また、協定校の大学院生と交流でき、貴重な経験が積めました」といった声が聞かれました。

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