今後の南米における日系人社会を担う大学生向けの研修に協力しました

東海大学では7月2日から25日まで、国際協力機構(JICA)によるブラジルやボリビア、パラグアイなどで暮らす日系人の大学生を対象とした「日系社会次世代育成研修」に協力しました。これは、今後の南米における日系人社会を担う人材を日本に招聘し、日本との関係強化や移住先社会の発展に貢献できる人材の育成を目的にJICAが初めて実施したものです。本学ではこれまでにも、ブラジルのマトグロッソ連邦大学と連携して日本のブラジル人学校で働く教員を対象にした遠隔教育コースを2009年度から13年度まで開講するなど、南米諸国の教育機関との連携を深めてききました。今回はJICAからの要請を受けて横浜国立大学・東京女子医科大学とともにこのプログラムに参画。研修には9カ国から20名が参加しました。

7月10日と17日には、本学の学生と語り合う機会として湘南キャンパスの教養学部国際学科の開講する「ジェンダー論」と「ラテンアメリカ研究」の授業に研修団が出席。デンマークや韓国、サウジアラビア出身の留学生も加わった7月10日の「ジェンダー論」の授業では、研修団の代表2名がブラジルにおいて男性優位の考え方や行動をさす「マシズモ(スペイン語圏ではマチズモ)」について実例を交えて紹介。男性の紳士的な行動様式をさす「カヴァレリズモ」との違いや、同じ人間でも相手によって使い分けていることなどを説明しました。その後、6名程度のグループに分かれて、それぞれが各国の状況を説明。考え方について意見を交わしました。また、10日と17日の2回にわけて行った「ラテンアメリカ研究」では研修団の学生が各国の歴史や文化を紹介。授業後には教養学部の学生有志によるポルトガル語の勉強会にも参加して交流を深めました。

研修団はこのほかにも清水キャンパスの海洋学部や伊勢原キャンパスの医学部付属病院、湘南キャンパスで活動するチャレンジセンターの「ライトパワープロジェクト」の活動を視察。ライトパワープロジェクトでは、ソーラーカーチームと人力飛行機チームの学生がこれまでの活動や実績、両チームで使用しているマシンや機体の特徴を紹介し、研修団が熱心に質問する姿が見られました。また、教養学部人間環境学科自然環境課程の協力のもと秦野市にある「生き物の里」で自然を観察するフィールド実習を体験。教養学部国際学科の企画した小田原城と鈴廣のかまぼこ工場見学、山下泰裕副学長の主催する「柔道ソリダリティ」と体育学部による柔道体験なども行いました。

参加した学生たちは、「東海大学のどこにいっても皆さんが温かく迎えてくれたことがうれしかった。この自然あふれるキャンパスを訪れ、貴重な経験を積めた喜びを母国に帰ってからも多くの友人に伝えたいと思います」「日本人の大学生と話せる機会があると聞いて参加したのですが、日本人だけでなくさまざまな国籍の人と意見交換することができ、世界観が広がったように思います。とても有意義な研修でした。現在は学部生ですが、大学院ではぜひ東海大に留学したい」と話していました。

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