東海大学では、8月5日に第30回グローバルシティズンシップセミナー「Power of Sport Entertainment beyond COVID-19 Era: Cultural Differences among Japan, USA and Canada」を開催しました。本セミナーはグローバル推進本部が主催し、キャンパスの国際化を進めるためにさまざまな分野の専門家による全編英語の講演を行っているもの。昨年度までは湘南キャンパスで開いていましたが、今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、WEBビデオ会議システム「Zoom」を使って配信。「コロナ禍におけるスポーツエンターテイメントの未来」をテーマにプロレスラーのケニー・オメガ氏と中澤マイケル氏が講師を務めました。
オメガ氏は2000年にカナダでプロデビューし、08年に日本のDDTプロレスに加入。14年に新日本プロレスに移籍すると、16年には外国人選手として初めてG1クライマックス制覇、IWGPヘビー級王者にも輝きました。19年にはアメリカで新団体「All Elite Wrestling(AEW)」の立ち上げに参画し、現在は同団体の副社長兼レスラーを務めています。中澤氏は1998年に本学体育学部を卒業したあとアメリカに渡り、US Sports Academy大学院スポーツ科学修士課程を修了。帰国後はDDTプロレスでデビューし、パーソナルトレーナーとしても活動しています。現在はAEWでも副社長兼レスラーとして活躍しています。
当日は、学生や教職員のほか、事前に申し込みのあった一般市民らも参加。アメリカから講演した両氏はまず、新型コロナの影響で興行が開けなかった時期や無観客で実施している試合をスライドや動画で紹介し、中澤氏は「プロレスはもちろん、プロスポーツには観客の存在が不可欠。歓声や声援がない会場の雰囲気は異様でいまだに慣れることができませんし、寂しさを感じています」と語りました。講演後の質疑応答では視聴者から多数の質問が寄せられ、「英語を学ぶ上で大切なことは?」という質問に、オメガ氏は「私もカナダから日本、そしてアメリカで活動しているが、さまざまな国の文化を自分の目で見ることはとても刺激的だ。その国に住む人や歴史的な背景などを一緒に学ぶことでスムーズに話せるようになる」と語り、中澤氏は「日本人はとてもシャイでミスを恐れる人が多い。今回の講演はすべて英語で話していますが、私の英語も決して完璧ではありません。間違いを恐れずにどんどんと自分の考えを英語で伝えていくことが大切なのではないでしょうか」とアドバイスを送りました。多くのプロレスファンも視聴したことから、「オメガ氏が日本で再び試合をすることを楽しみにしている」といった声も寄せられ、オメガ氏は「かつてはホームである新日本で引退しようと思っていたこともあったので、ぜひ日本のリングに立ちたい。対戦相手として好きな選手は多いし、リベンジしたい相手もいる。ただ、コロナ禍により日米の選手間交流が困難になっているのも事実」と話していました。