東海大学マイクロ・ナノ啓発会の第10回講演会を開催しました

東海大学マイクロ・ナノ啓発会(Tµne)の第10回学術講演会を、12月14日にハワイ東海インターナショナルカレッジで開催しました。東海大学の医学・理学・工学などの各分野で展開されているマイクロ・ナノサイズ領域における研究内容の相互理解を深め、学内外との共同研究につなげることを目的に若手研究者が中心となって本会を開いています。今回はハワイ大学と本学の学生や教職員、市民ら約70名が参加しました。

招待講演では、ハワイ大学マヌア校教授のマーガレット・パーキンソン氏と本学健康学部の石井直明教授が講演。パーキンソン氏は「Quality of Lifeに関する現在の考え方」と題して、QOLに最近のフレームワークや高齢者のQOL最適化を目指す最新の研究成果、科学技術が与える影響などについて広範に語りました。石井教授は、「科学的・医学的根拠に基づく健康研究」のテーマで講演しました。健康によいとされる食品やエクササイズの情報が氾濫している一方、科学的根拠に基づくものが少ない現状を指摘。2006年から本学医学部付属東京病院でスタートした抗加齢ドックや産学連携の取り組み、18年4月に開設した健康学部の活動を紹介しつつ、「これらの問題の解決には幅広い分野からのアプローチで科学的に研究される必要がある」と語りました。

その後のポスターセッションでは、学生や教職員が互いの研究活動について意見を交換。参加者による投票で、優秀な発表を行った学生には「ベスト・ポスター・アワード」が贈られました。参加者からは、「幅広い分野の研究者や学生と和やかな雰囲気のなかで意見交換できたのがよかった。刺激を受ける内容も多く、次回も参加したいと思いました」といった感想が聞かれました。

企画運営を担当したマイクロ・ナノ研究開発センターの槌谷和義教授(工学部精密工学科)は、「今回は初めて海外で実施しましたが、近隣の住民も参加してくれるなどQOLというテーマへの関心が現地でも高いことを実感しました。その一方で、QOL向上に資する素材の開発やさまざまな食品の成分や効果を正確に調べるためにはマイクロ・ナノ研究開発センターが果たすべき役割の大きさや、他分野交流の機会を持つことの重要性を再確認する機会になりました」と話しています。

またTµne発起人の一人でもある同センターの喜多理王教授(理学部物理学科)は、「この研究会は、オフィシャルな形でさまざまな分野の研究者同士が相互理解を深める機会をつくりたいとの思いからスタートしました。当初から、アブストラクトを発行するなど情報公開にも力を入れてきたこともあり、当初からは考えられないほど多くの研究者・学生が参加する催しとなり、共同研究も生まれるなど互いの研究への理解も深まってきていると感じています。その成果は、マイクロ・ナノ研究開発センターの誕生はもちろん、現在の学内外との連携の広がりにも大きく貢献していると考えています。これからも、相互の研究内容をもとに分野をこえて協力していくきっかけづくりの場として、Tµneをより発展させていきたい」と語っています。

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