2019年度テニュアトラック教員着任セミナーを開催しました

東海大学創造科学技術研究機構では12月12日に湘南キャンパスで、2019年度テニュアトラック教員着任セミナーを開催しました。本学では2010年度に文部科学省科学技術振興調整費によるテニュアトラック制度(※)を基本とする若手研究者育成プログラムをもとに、16年度からは卓越研究員事業に採択を受けており、本機構に所属する教員としてテニュアトラック教員を採用、育成しています。今回のセミナーは、新規に着任した卓越研究員の研究について周知を図ることを目的としたもので、11月1日付で着任したタギザーデ・ヘサーリ・ファルハード講師が「持続可能な開発目標を達成するためのグリーンファイナンスの重要性」と題して講演しました。

経済学を専門とするファルハード講師は、「持続可能な開発目標を達成するためのグリーンファイナンスの重要性」と題して講演しました。国連が掲げている持続可能な開発目標(SDGs)を達成するため、世界各国で二酸化炭素排出量の削減や再生可能エネルギーの開発などが行われている一方、一部の先進国や発展途上国では取り組みが進んでいないほか、機関投資家による投資が減少していると説明。これを受けて近年、持続可能な社会実現のための開発に向け、環境にいい効果を与える投資「グリーンファイナンス」が注目されていると語り、そのための資金調達の手段や各国の対応について紹介しました。また、「グリーンエネルギーの供給は、より高い経済利益をもたらす波及効果を生み出します。より高い収益率は機関投資家を引きつけることもできる」と話し、年金基金などの金融機関と協働する解決策を提案しました。講演後は、日本政府の対応や今後の展開について、参加者と活発に議論を交わしました。

※テニュアトラック制度
「公正で透明性の高い選考により採択された若手研究者が、審査を経てより安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者としての経験を積むことができる仕組み(文部科学省資料より抜粋)」を指します。本学では、文部科学省が公募した平成22年度科学技術振興調整費(現・科学技術人材育成費補助金)「若手研究者の自立的研究環境整備促進」プログラムの採択(5年間)を受けた提案「国際的研究者を育て得るメンター研究者育成」にもとづいて本制度を導入。実施組織として創造科学技術研究機構を立ち上げて国際的若手人材の育成を推進しています。

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