2019年度研究交流会を開催しました

湘南キャンパスで11月23日に、「2019年度研究交流会”総合大学だからできる文理融合によるSDGs/QOLへの貢献”」を開催しました。研究交流会は総合大学である本学の強みを生かし、理工系や文系、医学系など幅広い分野の研究者による共同研究の促進などを目的に、本学研究推進部が2015年度から実施しています。今回は学内外から教職員や研究者、学部生・大学院生など約150人が参加しました。

基調講演では、国立研究開発法人科学技術振興機構の剱持由紀夫氏(経営企画部持続可能な社会推進室調査役)が「科学技術イノベーションと持続可能な開発目標~SDGsの付き合い方~」と題して講演。国連でSDGsが制定された背景や日本政府の取り組み、学術分野が果たすべき役割などを解説し、「世の中で発生する問題が複雑化する中、分野をこえた融合が不可欠になっている。投資家が投資先の企業を選ぶ際にもSDGsにどの程度配慮しているかを考慮する場合が増えており、企業にとってはSDGsを知らないことがリスクにもなり得る時代になっています。先生方が研究を進める際にも、こうした点を考慮してほしい」と語りました。

その後、ランチョンセミナーとしてアカデミスト株式会社の柴藤亮介氏(代表取締役CEO)と株式会社フォルテのグレッグ・アダムス氏(Managing Editor)が講演。柴藤氏が近年注目を集めている学術系クラウドファンディングの概要や特徴を解説し、アダムス氏は学会誌に論文を投稿しアクセプトされるためのアドバイスを送りました。

午後の部では、トークセッションとして若手・中堅研究者による「自身の研究がSDGs/QOLに貢献できること」、副学長による「各分野の研究者に期待すること」及び全体セッションを実施。若手・中堅研究者の部では、柴山由理子講師(文化社会学部北欧学科)と内田理教授(情報理工学部情報科学科)、中川草講師(医学部医学科基礎医学系)が登壇し、自身の研究内容と今後の社会・医療のあり方やよりよい地域づくりに生かす取り組みを紹介。副学長の部では、辻中豊副学長(文系担当)と稲津敏行副学長(理系担当)、坂部貢副学長(医系担当)が、研究の発展を支援する研究支援や学部をこえた情報共有・融合研究の重要性などについて語りました。また全体セッションでは、融合研究の活性化には研究者同士が定期的に意見を交わす機会を設けることが重要であることや、積極的な研究広報の重要性などについて意見が交わされました。

なお今回は初の試みとして、議論の様子をリアルタイムで可視化するグラフィックレコーディングを導入。教養学部芸術学科デザイン学課程の仙田真郷さん(4年次生)と門松沙姫さん(3年次生)が、文字とイラストを用いてセッションの要点をまとめました。出来上がったグラフィックは来場者の注目を集め、JSTの剱持氏からも「企業などでは導入が進んでいますが、こうした研究会での導入事例はあまり聞いたことがない。この取り組みができるのも東海大学が総合大学だからこそ。この総合力を今後も生かしてほしい」とのコメントが寄せられました。

当日は、各学部の研究者によるポスター発表、ショート・プレゼンテーションや学生・研究者の研究内容を1枚の静止画で表現した作品で紹介するResearch ARTも実施。それぞれについて参加者が投票し、優れた発表を行った学生・研究者に表彰状と副賞が贈られました。研究推進部の長幸平部長は、「本日は、SDGsに配慮した研究の重要性や意義を知り、さまざまな分野が融合することの重要性を共有する貴重な機会になりました。本学でも、社会全体のQOL向上に資する大学であることを掲げており、そのゴールに近づくための第一歩になったと感じています。共同研究を実現するためには、研究者同士が率直に語り合える機会を継続的に設けることが重要になります。今後も継続的に開催し、社会のニーズに応える研究プロジェクトを支援していきたい」と話しています。

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