「第4回東海大学スペイン・ラテンアメリカウィーク」を開催しました

語学教育センターのスペイン語研究室では11月24日から12月10日まで、湘南校舎をメイン会場にオンラインも併用して「第4回東海大学スペイン・ラテンアメリカウィーク」を開催しました。スペインとラテンアメリカ諸国を専門領域に含む教員と学生が、日ごろの研究と学びの成果を披露し、スペインとラテンアメリカ諸国の魅力を広く伝え、関心を深めることを目的に毎年企画しているものです。

初日となった11月24日には、本学卒業生で現在プロサッカーチームのフィジカルコーチとして活躍する手塚七海さん(体育学部2020年度卒)が、「スペイン語を学んで得たこと~学ぶのに理由はいらない~」をテーマにオンラインで講演。在学中にスペイン語を学んでいた手塚さんは、語学学習の成果をサッカーに生かした経験やスペイン留学した際の様子を紹介しました。28日には、近鉄レジャーサービス株式会社志摩スペイン村事業部の田島学氏が「スペインとテーマパーク」と題して、観光業とホスピタリティの精神を切り口に講演。1987年に制定されたリゾート法やテーマパーク事業について説明するとともに、「テーマパークを通じて“スペインを感じてもらうため”に歴史や文化に触れることができるようにするなどさまざまな仕組みをつくっています。また、SNSでフォロワーの多いインフルエンサーに紹介されたことで、売り上げの上昇につながりました。テレビの地上波よりYouTubeを見る人が増える中で、PRの手法も大きく変えていかなければ魅力や我々の思いは届きません。流行に乗り遅れないよう多方面にアンテナを張る必要があります」とまとめました。翌日の29日には、12月3日に天理大学杣之内キャンパスで開かれる「第51回天理大学主催全国スペイン語弁論大会」に向けて直前発表会を実施。学生や教員が見守る中、出場者の学生2名が練習の成果を披露しました。

12月8日には、文学部文明学科の吉田晃章准教授が、「古代アンデスの音とカタチ」と題して講演し、現在の南米スペイン語圏に位置する古代アンデス文明の文化について解説。アンデス文明で制作されていた水を入れると音がする土器「笛吹ボトル」の仕組みや、アンデスの人々がその音を重要視していた理由など探った研究の成果を紹介しました。10日には、フラメンコスタジオ「ラ・カサ・デ・パティオ」のダンサーによるフラメンコ公演「Fiesta de flamenco 2022」を11号館大教室で開催。学生や教職員、地域住民らがスペイン南部のアンダルシアで生まれた舞踊であるフラメンコのパワフルな踊りを観賞しました。

期間中、本イベントに参加した学生からは、「テーマパークや文化遺産などさまざまなアプローチでスペイン語圏について考え、他ジャンルを通してみると文化の捉え方がさまざまなことを知りました。語学勉強だけでなく文化に触れる重要性を感じたこともあり、国内のスペインに関連した施設にも足を運んでみたいと思います」「初めてフラメンコを実際に見て、力強い踊りに感動しました。また、講演だけでなく、弁論大会に出る学生の発表を聞いて自分も語学力を高めたいとあらためて感じる機会になりました」といった声が聞かれました。

本企画コーディネーターを務めた本センターの結城健太郎准教授は、「コロナ禍の影響で全ての企画を対面開催にはできませんでしたが、非常に価値のあるイベントにできたと思っています。講演くださった方々や発表した学生など開催に向けてご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。中でも、フラメンコ公演は音やダンス、臨場感からスペイン文化の情熱を感じてもらえたのではないでしょうか。一連のイベント参加を通して、スペインとラテンアメリカ諸国への関心が高まるとともに、自分のキャリアや学びの方向性を考えるきっかけになっていればうれしい」と話しています。