第7回東海大学ヨーロッパ学術センターQOLセミナーをオンラインで開催しました

東海大学では9月30日に、第7回東海大学ヨーロッパ学術センターQOLセミナー「開発途上国への国際協力とQOL~デンマークと日本の政策~」をオンラインで開催しました。本学は日本で唯一、北欧の社会、歴史、文化、言語を研究と教育の対象とする文化社会学部北欧学科を有しており、50年以上にわたって北欧研究の先端を切り拓いてきました。本セミナーは、1970年にデンマーク・コペンハーゲンに開設した東海大学ヨーロッパ学術センターの50周年を記念し昨年度からシリーズとして開いているもので、これまでの教育活動の成果を広く社会に還元し、よりよい国際社会づくりに貢献することを目的としています。今回はコペンハーゲン商科大学経営・社会・コミュニケーション学科准教授のソーレン・イエッペセン氏、オーフス大学グローバルスタディーズ学科准教授のアネッテ・スコウステッド・ハンセン氏、ヨーロッパ学術センター所長の吉川直人副学長(国際担当)が講演。本センターのヤコブ・スキュット・イエンセン副所長が進行を務め、約70名が聴講しました。

初めにイエッペセン氏が「SDGsと貧困削減の観点から見たデンマークのODA」と題し、各国の政府による開発途上国への資金・技術面での支援策「政府開発援助(Official Development Assistance=ODA)」についてデンマーク政府の取り組みを解説。雇用の創出や収入増加といった成果が出ている一方、QOLの改善に向け労働者の権利確保や途上国への支援により力を入れていく必要性を提言しました。続いて、吉川副学長が「国連の開発援助と日本ODA」をテーマに日本政府の政策を説明したほか、本学における事例としてタイ・モンクット王ラカバン工科大学をはじめとする世界各国の教育機関との交流事業などについて紹介しました。最後に、ハンセン氏が「国連におけるデンマークと日本の対外援助の比較分析」と題し、途上国における事業展開や新たな雇用の創出など、両国が実施してきた政策について具体的な事例を報告しました。

講演後は参加者から多くの質問が寄せられ、ODAと産業の関連性や東南アジア、アフリカなどの地域を対象とした支援策などについて活発な議論が交わされました。