TUECに『デンマークにみる普段着のデモクラシー』が寄贈されました

東海大学のデンマークに関する授業や講演で講師を務めた小島ブンゴード孝子さんと澤渡夏代ブラントさんがこのほど、ヨーロッパ学術センターを訪問。今年6月に出版された著書『デンマークにみる普段着のデモクラシー』(かもがわ出版)に署名を入れて寄贈されました。

デモクラシー(民主主義)の本と考えるとハードルが高く、研究者向けの学術書・書籍と思われがちですが、本書は「普段着の」というタイトル通り、専門知識が全くなくても気軽に読める内容で構成されています。選挙や政治システムそのものではなく、その前提となる日常生活におけるデモクラシーや意思決定のあり方に光が当てられています。「ゆりかごから墓場まで」という言葉で表される個人の生涯について、まさに幼児教育から成人、それ以降の日常の多様な生活の中にデモクラシーがどのように根づいているのか、息づいているのかを、経験やインタビューを交えて紹介されています。デンマーク市民としての長年のキャリアと経験、日本人としてのアイデンティーを持たれる著者ならではの視点が随所に散りばめられており、デモクラシーの危機が叫ばれる現代において、デンマークの日常生活を通じて、「デモクラシーとは何か」「対話と相互理解」「個と社会のバランス」「公平・平等の意味」について考える一冊となっています。

健康学部健康マネジメント学科教授でTUECの堀真奈美所長は、「『正装』ではない日常的な『普段着』だからこそ、デモクラシーの真髄に近づけのだと感じました。“世代や国を超えて、日本社会の未来を支える若者に届けたい”という著者らの思いが込められていると感じました。本学はデンマークとゆかりが深く、デンマークの教育のあり方から学ぶべきところも多いように感じます。デンマークに関心がある人だけではなく、広く多くの人に読んでほしい」と感想を述べていました。