環境サステナビリティ研究所が清華大学大学エネルギー・環境・経済研究所と共同セミナーを開催しました

環境サステナビリティ研究所(TRIES)では11月24日に、渋谷キャンパスで中国の清華大学エネルギー・環境・経済研究所(3E)と共同セミナーを開催しました。TRIESは、不確実で複雑な現代社会において本学のSDGs・環境分野に関する研究成果を結集させ、地球市民の視点から学生の学習活性化に貢献するため、2022年4月に設置した研究機関です。日本の優れた環境政策を世界に発信し、産官学向けのプラットフォーム構築を通じた人材交流の促進活動を展開しています。今回のセミナーでは、温室効果ガスの削減に向けた排出量取引制度や炭素税といった「カーボンプライシング」をはじめ、低炭素プロジェクトに資金を供給する「気候変動ファイナンス」について議論しました。

当日はまず、清華大3E所長の张希良氏が本セミナーへの期待を語るとともに、自身の専門である「中国の気候変動対策の展望」に関する研究成果を紹介。続いて、慶応義塾大学名誉教授の吉野直行氏が「SG投資と温室効果ガス排出に対するネットの課税に関する研究」について講演し、TRIESからはファルハード・タギザーデ・ヘサーリ准教授(国際学部)と本間聡教授(政治経済学部)が、持続可能なプロジェクトへの民間投資を引き出すためのグリーンクレジット保証制度の役割やネルギー効率改善と再生可能エネルギーの普及がアジア諸国の二酸化炭素排出量に与える影響について発表しました。

そのほかにも数多くの講演が行われ、本間教授は「当日は、参加者の間で有意義な意見交換ができました。地球温暖化対策で日本と中国が果たすべき役割は大きく、今後も研究の交流を深めて、アジアの温室効果ガス削減につながる研究を展開していきたい」と話しています。